ということで最後!サイボウズ式ブロガーズコラムで連載中の日野さんのコラムについて、頼まれてもいないのに全件コメントするよ。
日野さんとはお会いする前からブログは拝読していて、最初は「絶対こいつ嫌なやつだよ」と思って身構えていたんですが、ご本人は書かれている文章よりはるかにあたりの柔らかい好青年だったのでごめんなって思いました。(余談)
「努力は手段に過ぎず、それ自体には何の意味もない」って言われたらギャーッてなりそうな人が何万人もいそうですが、真実だと思います。でもなんでそういう価値観って根付かないのっていうと
メンバーが「努力それ自体」ではなく「目標達成への貢献度」で評価されるようにするためには、前提としてチームの目標そのものも見直す必要があります。
あくまでチームの目標は定量的で達成度の客観的な判定が可能なものを設定しなければなりません。例えば、「ユーザー継続率X%向上」なら定量的ですが、「ブランド価値の向上」では不十分です。
定量的でない目標では、達成度を判定することができません。
っていうことだと思うんですよね。評価制度がそうなっちゃってるから。
努力することは否定しないけどそれが評価に直結することに「それって違うんじゃない?」って言い続けてるのが日野さんのスタイルなんじゃないかなと思ってます。
これも痛快ですね。飲み会自体そんなに嫌いじゃないんですけど、常態化して強制力が発生するのはやだなーと思ってたところに「そうそう!そうなんだよね!」と思わせてくれるコラム。このコラム自体は4月に公開されてますが、最近リクルートが発表した2015年のトレンドでも「部ランチ」が入ってたので、全体的にそういう気分なんじゃないかしら。
2015年のトレンド予測を発表 | リクルートホールディングス - Recruit Holdings
子育て世代の女性の就労率の上昇に伴い、夜の時間帯に開催される会社の歓送迎会や忘新年会などの企業のオフィシャルなコミュニケーションの場に参加できない人が増加傾向にある。また、ワークライフバランスへの意識変化や、勤務時間外の拘束に対する不満など子育て女性に限らないプライベート確保の機運を受けて、企業内の懇親行事の開催が夜→昼に移行するケースが増加してきている。そこで、登場したのが企業の懇親会の開催が昼間になる「部ランチ」。
ビジネスにおいては民主主義ってワークするのか疑問を感じ続けていて、そのへんのモヤモヤを解説してくれたコラム。あとこういう民主的な決め方って誰も責任を取りたくないだけなのでは説あるよね。
「人が足りない!」と気づいた頃にはもう手遅れ、スケジュールの遅れはどうすれば取り戻せるか | サイボウズ式
ブルックスの法則です。こういう法則が好きでいろいろ集めてメモして貯めてるんですが、こういうの面白いですよね。ブルックスの法則から脱却するためのヒントは要一読だと思います。
振り返りが犯人探しになることがたまにあってマジでそれ最悪じゃんって思うので、フレームワークや何か一定のルールを決めて上手に振り返りたいと思います。
「振り返り」を行う際には、定番ですが「KPT」というフレームワークを使うのがおすすめです。
KPTとはKeep, Problem, Tryの略で、それぞれ「Keep=よかったこと」、「Problem=問題点」、「Try=次に試すこと」に対応しています。
これいいなーと思ったので、真似して使ってます。料理の練習にも使えるよ。
定時後の「何かお手伝いすることありますか?」は必要ない | サイボウズ式
これ、新卒で入ると絶対に言われるじゃないですか。聞いてから帰ること、みたいに。アホかと思うんですよね。でも言わないと「あいつは薄情だ」みたいに言われるのもまたアホくさいと思うので、メンバーに対して適切な量の業務を割り振り、タスクオーバーしそうになったら早めに調整するのって本当に大切だと思います。
これ、未だにわたしも悩むんですが、チームなり組織で仕事をしてスケールさせていこうとするのにボトルネックになる考え方なんですよね。
チームのアウトプット向上を阻害する要因のひとつに、「仕事の属人化」があります。「この仕事はあの人にしかできない」と言ったような、ある仕事が特定の人物に強く依存してしまう状況のことです。
まさにこれをわたしもやりがちで、完璧主義だから「こんなアウトプットで戻ってくるなら自分でやる!」ってなっちゃうんですけど、よくないなと思って気をつけています。人に任せられるよう作業を整理することで、仕事のアウトラインをしっかりつかめるようになる、というメリットもあるしね。
会議の質を上げましょう、という話。わたしも会議嫌いなので、会議やるなら本気で全力で取り組んで「わーこれやってよかったわ」って思えるものじゃないと、やりたくないです。
「たったの1時間ぐらい……」と思う人がいるかもしれませんが、仮に10人のチームで1時間の定例会議を開催した場合、チームから10時間分の工数が奪われることになります。前述したコンテキスト切り替えの負担まで考慮すると、実際のコストはそれ以上になります。情報共有が目的の定例会議に、果たしてそれに見合うだけの価値はあるのでしょうか?
この「チームの工数」という発想、すごく大切なので浸透してほしい。会議については主催者が「この議論は自分以外の人の時間を奪ってまでやるべきか?やるべきだ!」と思えるなら、喜んで参加したいと思います。
わたしマニュアルマニアなので、自分がやってる作業をすぐにマニュアル化しちゃうんですが、「マニュアルにも読者がいる」という発想がすごく良いなと思って真似しはじめました。
また、チームのルールやコーディング規約などを「啓蒙」するためにドキュメントをつくる場合は、ただ書くだけでなく「読んでもらうための工夫」を入れると効果的です。たとえば、これは僕が以前働いていたチームでの話ですが、そのチームのコーディング規約が書かれたドキュメントには「くだらない冗談」が大量に含まれていました。これはつまり、飽きずに最後まで読んでもらうための工夫です。
なんでマニュアルが好きかっていうと忘れっぽい自分のためなのと「明日自分が死んでも仕事が止まらないようにするため」なんですけど、読んでくれた人が「おおーこれはいいぞ、ちょっと真面目に作業してみるか」と思ってもらえるようなマニュアルを作っていきたいと思います。
自分自身かなり身内びいきが激しいので、これは読んで猛省しました。そんで最近はチーム内の結束は高めつつどんどん外に向けても開いていって、「あのチームなんか楽しそうに仕事してるし、一緒になんかやりたいな〜」と思ってもらえるような空気を作るようにしています。この閉じつつ開くというか、いい感じのバランスが難しくてすごく楽しい。という示唆を与えてくれたコラムでした。
これはすごく難しい問題で、ベンチャーみたいに少数精鋭でハイスピードな進化を目指す集団ならある程度は仕方がない、と思ってます。でもベンチャーも規模が大きくなってきて関わる人やメンバーのレベルにばらつきが出てきたとき、必ずこの問題にぶつかるんじゃないかなと思ってます。そのときに日野さんが書いてくれたことが役に立つんじゃないかな。
こことかすごく好きです↓
相手が「言われなくてもできる人」だからといって、それに甘えて雑に仕事を投げ続けるのは本来許されるべきではありません。ましてや、相手が代わっても同じような曖昧な指示を続け、それで前任者と同じように自分の思い通りに動かないからと言って相手を怒るなんて論外です。仕事を振る側には、振られた側以上に重要な責任があることを忘れてはなりません。
これ本当にそうだよなーと思って関連したエントリーを書きました。書いたっていうか興味軸がマッチして読んだ本がまさにこの内容だったというか。
ヒエラルキーの限界/「サーバントリーダーシップ」を読んだよ - インターネットの備忘録
失敗した時に大事なのは「反省」よりも「分析」 | サイボウズ式
「問題を自分の外側に出して分析する」のは良い方法だと思います。してしまった失敗をいつまでもいじくり回してるのって何かこう「反省している感」は出るかもしれないけど全然本質的じゃないですよね。
失敗をいつまでも引きずってしまう人は、「ネガティブな感情」に対して主観的に向き合いすぎている場合が多いです。「ポジティブな感情」に対してはいくらでも主観的に向き合って問題ないのですが、ネガティブな感情に主観的に入れ込み過ぎると心は大きなダメージを受けます。ネガティブな感情と向き合う場合はあえて気持ちよりも「事実」や「対策」といった側面を優先して考えるようにしたほうが、へこみづらいし打開策も見つかりやすくなります。
失敗を上手に「ひとごと化」する、のは良いなと思います。
最後!今日公開のコラムです。
「そもそも」が重要で、そこを見誤ると議論の着地がよくわかんなくなるよ、っていう話。そのためのガイドラインが3つ紹介されています。とても大切。
誰かと議論をするとき、目的は「相手を言い負かす」ことではなく「ベストの回答を見つける」ことだと意識していたいと思います。この「そもそも」を重視しているのが日野さんの特徴かもなってこのコラムについてのコメントを書いていて思いました。
コメントは以上です。
日野さんはやっぱり「正論で殴る」人だなーという印象で、すっごくドライだし本質主義だし、べちゃべちゃした慣れ合いとか情みたいなのから切り離したベストプラクティスを追っている感じが痛快です。
でも読んでみると必ず「こうしてみたらどう?」が書かれていて、ただ否定や批判だけで終わっていないのがすごく好きだなーと思います。
あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。
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こうやって並べると3人とも共通点と相違点がはっきりして面白いですね。おふたりと肩を並べて書かせてもらってるのは本当に誇らしいことなので、認めてもらえるようなものを書いていけるよう精進していきたいと思います。
がんばります!
☆ファー様コラムへの全件コメントこちらから
会社の嫌いなところをどう攻略するか/サイボウズ式ブロガーズコラムの話、その2 - インターネットの備忘録
☆自分のコラムも振り返ってみました
サイボウズ式ブロガーズコラムの話。 - インターネットの備忘録
今日はそんな感じです。
チャオ!