あまりこういうことに脊髄反射しないようにしているし
否定的な意見をここには書かない、と決めているのですが
さすがに、さすがにこれは…!と思ったので。
※5/18:サービス停止したそうです
「「男の子牧場」のサービス停止について|サイバーエージェントではたらく広報担当のブログ」
婚活も合コンも出会い系も好きにすればいいけど、
「牧場」と名付けて第三者に向けて家畜のように誰かを品評するというのは
本当に品のないことだと思うしそれが女性にウケると思われてるなら
「女なめんな」的な怒りを抑えきれない
これがすべてなのですが
なんかもうサービスを企画する人間として今回久しぶりに
怒りにふるえてしまったので、むかつきポイントを整理してみました。
誰だって他人を評価してる
「第三者に向けて家畜のように誰かを品評するのは本当に品のないこと」
とか言って怒っちゃってますが、とはいえ、わたし個人の意見としては
人間誰だって心の中では他人を評価している、と思っています。
婚活に限らず、AさんとBさんがいた場合に、
Aさんは○○だけど××だし、Bさんは××だけど○○だよなあ、
的な項目で判断しているはず。
というかわたしはそうです。
誰だっていいところ/悪いところがあるし、
それが特徴・個性なわけで。
そうやって他人を分析することを否定する気はありません。
サービス企画と味付け
今回のコンセプトとしては、
「恋人・結婚相手が欲しいと思った時、友人の紹介での出会いを求める」人は47%(※1)
※1 出典:「ウエディングウォーカー結婚白書2008年」 株式会社角川マーケティング ウエディングウォーカー調べ
という結果を受けてのもののようで。
・出会いを求める人は、友人の紹介で探すことが多い
↓
・であれば、オンラインでそういう情報を共有できたらいいのでは?
↓
・じゃあ、いっそコミュニティサイトにして、そこに情報を集めてもらおう!
ということだと思うのですが、これを否定したいわけではないです。
企画立案の流れの中で、「婚活」「草食系男子」というキーワードと、
もしかしたら「ガールズトーク」あたりもあったかもしれない。
パッと聞いたとき、いわゆるSEX AND THE CITY的な、
出会いを求める女性たちが関係を持った男性のことを
赤裸々に話す光景が浮かびました。
恋愛ネタはコミュニティで盛り上がるコンテンツだし、
女性をたくさん集めたい、というのはメディアの命題、
しかもターゲットは婚活世代、つまり、可処分所得の多い層。
「情報料無料」に慣れた10代のお金のない若い子ばっかりが集まりがちなモバイルメディアで
どの会社も喉から手が出るほど欲しい層なんだと思います。
「草食系男子」も流行っぽいし、じゃあ、草食=牧場?
ちょっとえぐいけど、話題になるかもね、じゃあそれでいっちゃえ!
というのは、まあ、わからなくもないところです。
もしかしたら、企画会議のブレストレベルだったら、
わたしだって口にしたかもしれない。
#しないと思うけど
でも、それにGOを出すかどうか、は慎重になるべきで、
今回に関してのわたしの印象は、この企画者アホか!というよりも、
よくこのサービス名が社内の各種稟議を通ったなあ、という感じ。
可視化する品のなさ
今回わたしが感じたのは、「品がない」という一言につきます。
もしかしたら、わたしだって女同士の飲み会で、
似たようなこと=男性を何かの軸で評価する、
を、しているかもしれない。
「Aさんは○○はいいけど××で、
Bさんは○○なんだけど××なんだよね〜」
言いそうです。
言ったことあるかもしれない。
だから、わたしだって同じように自分の知り合いの男性を
男の子牧場のように上から目線で見て、
「ああ、この人はこういうとこがあるからいまいちだよなー」
とか、何様だよ的な評価をしていることがないとはいえない。
このエントリでわたしが言いたいのは、
「わたしはそんなことしないわ!男性を評価するなんて、ひどいわ!」
という、優等生的な意見ではありません。
わたしも意識してないだけで、するんだと思います。
だから、今回のことがものすごく気に障ったんだと思う。
前出のSEX AND THE CITY(以下SATC)に話を戻すと、昨年映画が公開され
わたしの周りやネットで見る限りでは、「スイーツ(笑)映画」的な
評価をされることが多かったわけで言いたいこと分かりますしそうだと思うけど、
わたしはTVシリーズも全部見ていた上、映画館にも足を運んで見たしぶっちゃけ泣いた。
だから、ああやって赤裸々に女性同士が男性との関係について話すことの楽しさ、
ちょっとえぐい面白さみたいなのは、理解しているつもりです。
ただ、異性関係をあけすけに話すことは下品だ、と感じていつつも、
その面白さは知っている、という、ギリギリのラインがSATCを見て面白い、
と思わせるポイントだと思っていたし日本でもヒットしている一因なのかなあ
と思っているのですが、実際にやるのはぜんぜん話が違うのです。
それをオンラインのサービスとして出されて、
しかも表現としては「牧場」の「家畜」として男性を評価する、
という、お世辞にも遊び心とは言えないような表現の仕方に
ものすごく拒否反応を覚えました。
モバイル/PCに限らず、ウェブサービスを提供する人間として思うのは、
企画としてギリギリのラインをつく、という気持ちは理解できるのですが
冗談として笑えないこと、他人を傷つける可能性がある企画、というのは
何があってもしてはいけないと思います。
個人がやったら「あ〜あw」で済ませたと思うけど、
会社がこういうことをするには、もっと慎重になるべき。
第三者を傷つけて面白がるサービス、というのが
世の中に存在することは理解できても、許容はできない。
たぶんこういう主旨のエントリが昨日・今日は死ぬほど
インターネットの世界にアップされているんだろうなあと
思いつつも、ネット関係の業界のすみっこで企画をしている人間の
意見のひとつとして残しておきたいと思い、ここにまとめておきました。
今後を見守りたいと思います。
「男の子牧場のお問い合わせに関して|サイバーエージェントではたらく広報担当のブログ」