わたしはいまありがたいことに「好きなことをしてお金を稼ぐ」
ことはできているのですが、その経験とそこに至った経緯など。
確かに嫌なことっていっぱいある
「好きなことを仕事にしない」っていう人を
けっこうよく聞くのですが、その理由としては
「好きなことをするために嫌なことを我慢するのがアホらしい」
「その嫌なことを我慢して好きなことを嫌いになりたくない」
とかなのかな？
確かにそういう考えもあるし、主張の通り
アホらしいこと・嫌なことっていっぱいある。
自分の過去を振り返っても、もう超どうでもいいような調整とか交渉とか、
くだらない気遣いとか揉めごととか、いっぱいあったな〜と思います。
でも、だから「好きなことを仕事にしない方がいい」かっていうと、そうでもない。
好きなことで稼ぐって
確かに正直嫌なこともあるけど、ほんとに楽しい。
だって好きなことをしていて暮らしていけるんだもの。
たとえばわたしはいま企画とかをする仕事をしていて、
根底には妄想好き・いろいろ考えてるのが好きっていうのがあるのですが
それでお金を稼ぐって、わたしの妄想にお金を払ってもらって、
それで人が動いて何かが始まるってことで、ものすごく楽しい。
それはその手前にたくさんあるどうでもいい調整や交渉も
出来上がった瞬間、ぜんぶ忘れるほど楽しい。
自分が企画を考えて交渉してお金をどっさりもらえることになったとき、
一緒にやってたディレクターと椅子から転げ落ちて抱き合って喜び泣きしたり、
５年も前に立ち上げたサービスを知って使っていてくれた人と偶然知り合って、
「わたしそれ好きでした！お会いできてうれしい！」って喜んでくれたり、
なんていうか、そういう、言葉にできない喜びがある。
そして、好きなことをして稼ぐ一番大きな喜びは、
自分が考えたりやったことに「対外的な価値」がつく、
ということなのかもしれないです。
賞賛をもらうこととはまた別に、やっぱり自分のやったことにお金がつく、
って、シンプルにそれが評価された、お金を払う価値があると思ってもらえた、
ということなわけで、それは本当に嬉しいことなのです。
そうじゃないと続けられない（わたしは）
で、なんでそんな面倒なことを乗り越えてまで
好きなことを仕事にすることにこだわるのかというと、2つ理由がありました。
まず1つめは、わたし自身、ものすごく怠けぐせがあって飽きっぽくて、
心が弱いことに気づいているからから。
学生時代から、満員電車とか団地住まいとか、同じ規格の中に押し込まれて
ずーっと同じことの繰り返しを続けるのは絶対に無理だ、と思っていて
じゃあ何だったら続けられるんだろう？と思ったときに、やっぱり好きなこと、
やってて楽しいことっていうのじゃないと無理だなーと。
2つめの理由は、明日は必ず来ない、という思いにわたしが囚われているから。
きっかけは、20代前半の頃、9月11日の夜、お風呂上りに
テレビのニュースをつけたらあの映像が飛び込んできて、
場所は当時一緒に仕事をしていた知人が帰省していたNYだという。
母親に久しぶりに会えるんだ、と言っていた彼の顔が浮かんで、あわてて携帯にかけたら不通で、
あたりまえなんだけど、ああもう会えないのかもしれない、大切な人でもこんなに簡単に、
二度と会えなくなったり死んでしまったりするんだ、と思ったら、ヒャーどうしよう！、と急に怖くなりました。
自分の残りの命がデジタル時計みたいに見えて、カチカチ1秒ずつ減っていくイメージがわいて、
ああわたしは死ぬために生きているんだ、デジタル時計の残り時間は分からないけど確実に減っていて、
いま、こうしてヘラヘラしていても、死ぬことに向かって生きているんだ、と感じたのです。
その日から、こうやって毎日が普通に続くってすごいことなんだなー
という思いが離れなくなって、そしたら居ても立ってもいられなくなって、
行きたくない会社でやりたくない仕事を続けるのに
ものすごく違和感というか焦燥感を感じるようになった。
＃これ自分で振り返って思うけどちょっと病気っぽい…？
この2つの理由が、やりたくないことで確実に減っていく自分の時間を使うのは絶対にいやだ、
そんなの続けてられない、という思考を産んだんだと思うのですが、この考えちょっと幼稚だな〜と思いつつ、
とはいえそうしないと座りが悪いから、そのことを最優先事項に考えて生きてきて、
そしたらなんとなく人生が変わってきて、やりたいことでごはんが食べられるようになった。
1つめの理由を我慢して折り合っていくには2つめの感情が強すぎる、という感じなのですが、
根はマジメで責任感強いタイプなので社畜になりがちですが、単純に嫌なことが続けられないのです。
＃好きなことをやる上で納得できないことは我慢できても、好きじゃないことを続けるのは我慢できない
とはいえ
わたしは幸運にも自分のやりたいことがそれなりにニーズがあって
かつ自分みたいなタイプを必要とする会社に拾ってもらいお金がもらえてますが、
好きじゃないけど得意なこと（これって別々だよね）を仕事にする方が稼ぐ上で効率がいい人、
仕事より人間関係が大切な人、もろもろいろんなことに折り合いをつけてやっていける人、
もしくは自分のやりたいことでごはんを食べることのハードルがものすごく高い人、
みたいなのもあるとは思うので、なんかこれいつも同じこと書いてる気がしますが
「自分の絶対にしたくないこと」から消去法で仕事を選んでくのがいいのかもしれませんね。
でもまあ、好きなことで稼いで家賃を払ってごはんが食べられるっていうのは
何者にも代えがたい喜びがありますよってことで。
嫌なことはそれでもいっぱいありますが、着実に環境を自分にあわせていけている気がするので、
現状で「社畜乙」呼ばわりされていようとも、なんとなく未来は明るい気がしています。
もうすぐ連休ですが、気をひきしめてがんばりましょー
