インターネットの備忘録

インターネット大好きな会社員がまじめにつける備忘録です。

子持ち40代女性コロナ禍での転職活動マジきつかった

今日、内定承諾書にサインした。

9月1日から新しい会社で働くことになるのだけど、転職活動、マジできつかった。エージェント経由の応募では、書類選考で落ちまくった。たぶん30社くらい落ちた気がする。もっとかな。書類で落ちまくっていた数週間はネガティブ思考に陥り「今のキャリアを維持することは諦めたほうがいいのかも」と思いつめていた。

結果として「行きたいな〜」と思った会社へリファラル(中の人から紹介してもらって面接に進む)でお話が進み、これを逃すかと全力で取り組んでいたらトントン拍子で入社が決まった。

でも、今回の転職がなんとかなったのは、30代のうちに種を蒔いておいたことがポツポツとつながったからだなという感じがしたし、実際そうだと思う。

わたしの周りには30代の友人が多く、将来ミドル世代で転職することに不安を感じている人もいるだろうと思うので、率直に備忘します。

40代での転職活動、甘く見てた

ここ10年は基本的に「誘われて転職する」パターンだった。なので今の会社を辞めると決めてから、久しぶりに求人サイトに登録したりエージェントと話をしたりするなどの転職活動をしたのだけど、まず情報が全然ない。

正確に言うと、いい事業をしている会社だなと思うところはたくさんあるし、そういう意味ではいろいろ知ってるんだけど、その会社がミドル世代にどういう期待をしていて、採用したいと思っているかが分からない。

わたしのキャリアはネットベンチャーのディレクター職がメインなので、自然と次の会社もそういう界隈で探していたのだけれど、一般的に表に出ている情報は20代〜30代前半をターゲットとしている求人ばかりで、40代ミドル層の求人はあまり表に出てこない。ミドル層をターゲットにした転職サイトもあるけれど、経営幹部とか、営業部長とかの求人が多く、どうもしっくりこなかった。

そもそもコロナ禍で新しい求人を控えている企業も多いという。あれ?なんか昔やった転職活動とはわけが違うな?と、ここで最初の焦りを感じ始める。

書類がマジで全然通らず、焦って対策を始める

人から誘われて入社することが多かったので、あまり気にしていなかったけど、社歴が多いことをネガティブに捉えるエージェントが多かった。あと、子どもがいてまだ保育園で、朝の送りや夜のお迎えがあることを気にする人もいた。

時間の自由になる夫が代わりにやってくれるので、そこは柔軟に対応できます、と言っても「子どもがいる40代女性」のくくりに入れられて、時短じゃないと無理ですよね、と言い切られてしまうのはつらかった。リモートならフルタイムでもいけます、と言っても、難色を示されたりもした。

あと、マジで舐めてたな自分、と思って反省しているのだけど、職歴書の見直しが甘かった。前々回くらいの転職でレビューしてもらった職歴書に、最近の職歴を追加しただけで、全体を通してのストーリーが描けていなかったと思う。

要するに「キャリアに一貫性があり、フレキシブルに働けると理解しているのは自分だけ」という状態になっていた。柔軟に働けることは面接でアピールすればいいけれど、職歴書には載せられない。そのためにも「強い職歴書」を作らねばいけなかったのに、そこをサボっていた。

今振り返ってみれば「この書類じゃ落ちるよな〜」と思うけど、久しぶりすぎてピンと来ていなかったのだ。

自己紹介にはストーリーと背骨を通すのが重要

あまりに落ちまくるし、30代のときのようにあちこちから声がかかるわけでもない。さらにコロナ禍で人との交流が減っているので、転職意欲を伝える機会もほぼなかった。これはいよいよマジで対策しないとやばいかも、と思い、改めて自分の自己紹介を見直した。

40代で社歴が多いと、説明することも多くなり、定型文での自己紹介が難しくなる。「新卒で◯◯を経験し、キャリアアップを目指して転職、現職では◯◯として△△の業務を担当しています」みたいに端的に言えないので、もっと俯瞰で見た自分のキャリアをストーリーとして描き、背骨を通したプレゼンをする必要があった。

20年前、新卒で入った会社で身につけたスキルなんて陳腐化しているし、自分がアピールしたいのもそこではない。でも社会人として最初に選んだ仕事には自分の本質が現れているとも思うので、省かないけれど説明もしすぎない、もっとも重み付けするのは直近の仕事だけど、そこまでの積み重ねもちゃんと伝わるようにする、みたいな感じで自己紹介を改善して、練習していった。

なのでエージェントから「ちょっとこれ提案ズレてない?」と思う求人が来ても、話してみてくれるならなるべく会って、自己紹介の練習を重ねた。

リファラルには全力で飛びついた

上記の理由と同じで、あまりマッチしていないんじゃないかな?と思うポジションでのリファラルが来ても、断らずにどんどん会うようにしていた。

話していくうちに「あー、やっぱり合わないかな」と思っても、相手のリアクションで自分のキャリアのどんなところが企業の採用担当にとって興味をひくのかが分かるし、いつどこでどんなめぐり合わせになるか読めないのだから、基本、全力でアピールすることにした。

結果、正社員として迎えるのは難しいけれど、単発のライティング仕事があれば依頼したい、みたいな感じでつながることもあったりで、何がどう転ぶかはわからないなと思った。

とはいえ、リファラルでもまず書類選考から……という企業もあったし、「カジュアル面談です」と言われたのにいきなり「志望動機は?」と聞かれてガックリ来ることもあった。スカウトとして連絡が来て色々対応したのに「すみません、やっぱりもっと若い人を採ります(意訳)」と言われてムキーッとなったこともあった。

要するに、30代のときの転職よりむちゃくちゃ時間がかかった。コロナ禍で派手に採用しているところが少ないというのもあるし、マネジメント制度の見直しタイミングで、ミドル世代の採用まで手が回らないという会社もあったように思う。

「40代の転職は、準備に時間と金をかけろ」

そんなこんなで諦めかけていたところに、薄い交流のあった人からFacebook経由でお声をかけてもらう。その方も転職したばかりだ、というその会社は、1年以上前、人づてにカジュアル面談で訪問したことがあった。

事業にも会社にも好意を持っていたので、再度カジュアル面談から……という話になったのだけど、人気企業だというのも知っていたので、半ば諦めモードだった。

しかしカジュアル面談でいろいろ話を聞くうちに、懸念だったポイントがクリアになり、現場的には育児と仕事の両立も当たり前、自由に柔軟に働けて当たり前、という感じだった。むちゃくちゃ良い会社じゃん、と感じ、この会社に入りたいな〜と思うようになった。

 

ここでこの記事を目にして、あっ、そうだよな、と気付く。

zunzun428blog.hatenablog.com

つまりは30代後半40代の転職は、

「自分を信じるな。準備にめちゃくちゃ時間と金をかけろ」

ということなんですよ…。

ここ大事なので、100回くらい読み返してほしい。

本当に本当に、自分は自分のキャリアに自信を持って、ありのままでいけると思っていても、そこを信じずに、準備に時間と金をかける。これに尽きると思う。

わたしは幸いに金をかけずに済んだけど、これに気付くまで、すごく時間がかかってしまった。たぶん半年以上転職活動をしていたと思う。この期間、経済的にも不安でしんどかったし、精神的にもしんどかった。

必要であればキャリアコーチングなどに金を払って、第三者の目から自分のキャリアを客観視するほうがいい。そのほうが時間を少し短縮できるのではないかと思う。

エピソードを取捨選択し、物語を作ろう

ということでカジュアル面談を経て「絶対にこの会社に入りたい」と思ったところで、職歴書と自己紹介を全部やり直すことにした。

まず自分のキャリアを振り返って、わたしはこういう人で、こういう人生を歩んでいて、こういうことができる、そして、こういうことがしたい。それをいかにわかりやすく言語化して伝えるかの練習をした。

自己紹介は、長くても3分だと思う。3分でわたしのこの20年を、相手が理解して納得し「この人と働きたいなあ」と思えるような形で説明しなければいけない。ここはめちゃくちゃ時間をかけて考え、ある結論に至った。

具体的には、「1社目ではこういうことをして〜」という説明方式を捨てた。

「学生時代に何を学び→それを社会でどう活かそうと考えたか→それをどう発展させてきたか→そのスキルを貴社でどう活かしたいと考えているか」というサマリで語るようにして、各社であげた実績は、聞いている側を飽きさせないためのエピソードとして入れた。

はっきり言ってわたしの20年を3分で語るのは無理だ。でもこうしてブログを書くように、相手が興味を切らさないようエピソードを取捨選択し、話す流れを作ることはできる。そうやって自己紹介を練り上げて、思い入れがあっても引きが弱そうなエピソードは捨てまくり、濃厚特盛みたいな自己紹介を作った。

その自己紹介を裏打ちできるように、職歴書も始めから書き直すことにした。これは結果的に良かったように思う。

職歴書に自分の実績を書いて、そこから自己紹介を起こそうとすると、どうしても読み上げっぽくなってしまう。そうではなくて、まず自分の物語を描き、その詳細説明として職歴書を作っていくことで、読み通せるものになったと思う。

 

最終的な見直しには、こちらのnoteも参考にした。

note.com

note.com

今回わたしは時短での転職ではない(スーパーフレックス制なので)けれど、パイが少なく、求職者から人気のあるところでも戦える職歴書の書き方、という意味ではとても参考になると思うので、ぜひ一読してみてほしい。

「そういえば……」で運命は変わる

こうしてなんとか面接を突破し、内定承諾まで至ったわけだけれども、何がどういうご縁をつなぐかって、本当に本当にわからないなと思った。

今回の転職でいうと、わたしの活動を見てくれていた人が「そういえば……」と思い出して声をかけてくれ、転職活動で四苦八苦していたところ「そういえば……」と読んだ記事を思い出して対策を見直し、なんとか内定にこぎつけることができた。

転職はタイミングや運も大きい。でもその運を掴むための準備は、自分がしておかないといけないんだなと思う。わたしがずんずんさんの記事を読まずに(読んだとしても)対策せずボーッとしていたら、今回のリファラルもチャンスを逃していたと思うし、準備万端であっても、そもそもお声掛けをしてもらえなかったら、面接のチャンスにもたどり着けなかったのだ。

そういう意味では、3年前に書いたこの記事のような意識で動いていてよかったと思う。

cybozushiki.cybozu.co.jp

このときは「個」として活動するために、やった仕事の広報活動はちゃんとしたほうがいい、という思いでいたけれど、実際に3年たって、その活動が実ったのが味わい深い。

入社する前からあれだけど、会社が事業転換をして自分の方針と合わなくなったり、自分の家庭の状況が変わったりして、また仕事を変える必要があるかもしれないのだ。そのためにも、自分が今こういうことをしていて、こういう活動に興味がある、というのは、今後も引き続き周りの人にアピールしておいたほうがいいのかもしれない。

最後に

ということで長かった転職活動を振り返ってみたけれど、本当に大変だった。大変だったけれど、自分のキャリアを見通せてすっきりしたし、好きな相手と両思いみたいな感じで転職することができるのは、本当にうれしい。

あと20年とか30年とか働く上で、また社会情勢が変わったり、わたしの興味軸が変わったりで、会社を移りたいときが出てくるかもしれない。そういうときに、不満を言いながら同じ会社に居続けるのではなく、自分のキャリアに自信を持って、新しい場所を選べるようにしていたい。

そういう視点からも、今回の転職活動で描くことができたわたしの物語というのは、意味があったように思う。この物語に継ぎ足し継ぎ足しで、秘伝のタレのように、また新しく素敵な物語を作っていこうと思っている。

新しい場所を選ぶ、というのは本当に大変だ。それは独立かもしれないし、また転職することかもしれないけれど、そのときそのときの納得感を大切にしていきたいなと思う。

「納得はすべてに優先する」

本当にそうだと思う。

 

今日はそんな感じです。

チャオ!