最近ずっと太宰治を読んでおりまして、今さらながら大変ハマっております。
で、そこで思ったのが、「美しいものを言葉で表現する」って本当にすごいことなんだなあということ。
なんていったらいいんですかね、それって美しさの翻訳というか再構築というか、それはものすごい台風の夜の後の、翌朝早い時間に窓を開けたときにかいだ空気であったり、日差しにあたためられた柔らかい猫の肉球の匂いだったり、「あっ、いま、この瞬間がすごくきれいだ!」というものを、写真みたいに切り取って、言葉として定着させて、読み返せば何度でもその瞬間が目の前に立ち上がってくるような、目の前にいない人にもその美しさが伝わるように保存する、ものすごい技術だと思いました。
言葉はただ言葉として並ぶだけでは、そこまで重い意味をもたないと思うのですが、小説や演劇のように、時系列を追った物語として並べられ、積み上げられた最後に飾られた言葉の、強さとか力、みたいなものが本当に強烈で、ここまで来なかったら感じられなかった何かを手に出来たとき、表現に触れることの幸せというものを感じます。
ハシゴを登った先にある小さな「YES」も、そうですね。
今までずっと自分が好きなもの、素敵だと思ったもの、美しいと思ったものをなんとかして自分の言葉で表現したいと思って、いろいろ駄文を書き連ねてきているわけですが、もっともっと書けるようになりたい、書いた人の表現にたくさん触れたい、と思うようになりました。言葉を持つと、自分の感じたことを、他の人に伝えることができるようになる。こういうの、本当に楽しいですね。
ということで、この2週間くらいでばばっと読み散らかした中から、特に心に深く刺さったものを備忘しておきます。どれも短いお話ですし、青空文庫のリンクを貼っておくので、興味がわいたらぜひ。
それから、積み上げられた最後に提示される表現の力、という意味では、個人的に一番いま興味がわいている演劇の、最初のきっかけになった「悪い芝居」東京公演が決まったので、あわせてご紹介しておきます。(先行予約は今日までです!)
東京公演のチケットを取りました。こちらもよければぜひ!
【悪い芝居のUstream】過去作品配信SP第三弾!!!! その1 - YouTube
あとは個人的に実験している、音楽を言葉で説明する、というので書いたものを2つ。
「SLAB」は今日、アルバムが発売になったので、興味を持ってもらえるきっかけになるといいなーと思っています。本当に、すごいですよ。
スラブ(SLAB)、音の隙間、粘度の高い快楽 - インターネットの備忘録
ゴルジェ(Gorge)という現象、そしてそのカルト的熱狂 - インターネットの備忘録
なんか感想なんだか紹介なんだか、よくわかんなくなっちゃったけど、今日はそんな感じです。
チャオ!