分厚くて死ぬかと思いましたがなんとか通読したので備忘。
- 作者: ロバート・K・グリーンリーフ,ラリー・C・スピアーズ,金井壽宏,金井真弓
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2008/12/24
- メディア: 単行本
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詳細な内容は読んでもらうとして(ポエミーだったので疲れたよ…)、みんなだいすきグロービスからざっくり概要を引用。
米国のロバート・グリーンリーフ博士が提唱した概念で、「まず相手に奉仕し、その後相手を導くものである」という発想に立って、リーダーシップを発揮することを指す。
サーバント・リーダーシップの10の特性といわれるものは以下のとおりである。
(1)傾聴 :人の言うことがきちんと聞ける
(2)共感 :同時に共感もできる
(3)癒し :本来の姿が取り戻せるよう自他ともに癒すことができる
(4)気づき :自他ともに気づきに訴えることができる
(5)説得 :支配的ではなく、何か大きな使命や目標を訴える説得力を持つ(6)概念化 :自分の夢がきちんと概念化できている
(7)先見力 :現在の事柄について過去の教訓に照らし合わせ将来を予想する
(8スチュワードシップ :大切なものを任せて信頼できると思われるような人
(9)人々の成長に関わる :一人ひとりの成長に深くコミットできる
(10)コミュニティーづくり:自らがサーブしてリードできるような、有能な人材を多く創出するような文化を創る
トップダウンでグイグイ行くようなリーダーシップじゃなくて、使命や大義を持ち周りに耳を傾けながらチームを作っていく。「育てていく」っていうほうがしっくりくるかもしれません。こんな事例もあるようです。
日本においてサーバントリーダーシップの重要性に早くから注目していたのが資生堂で社長を務めた池田守男氏(現・相談役)です。「お客様が一番上にいて、それを営業担当者が支え、それを本社がサポートし、最後に会社全体を社長が支える」というビジョンに基づき、店頭起点の経営改革を進めました。
2006年には現社長の前田新造氏が、販売の第一線を担う美容部員の営業ノルマを撤廃し、顧客満足度に基づく人事評価を導入しました。「100%お客様志向」という企業ビジョンを、現場の社員が実現できるようマネジメントの仕組みを変えて支援したという点で、サーバントリーダーシップを経営トップが発揮した例といえるでしょう。
リーダーに据えられた人の多くが悩むのは「自分はそんな器じゃない」とか「みんなを引っ張っていくなんて無理」って課題なんじゃないかなと思うんですけど、サーバント・リーダーシップの観点で見るとそんなこと無理にやらなくてよくて、メンバーに目と気を配って良さを引き出し、正しい方向に導いていけばいいわけですね。
自分だけの力でチームを引っ張ろうとすると、おそらく自分以上のサイズにはスケールしない。個人的にはこれって頂点に責任者を置いたピラミッド型組織の限界なんじゃねえかなと思っており本書でもそのように触れられていたので「そうなんだよね気が合うね!」くらいの快哉でした。ヒエラルキーでチームを作っていこうとすると、自分の限界=チームの限界になってしまうんですよね。
そんなことより関わるメンバー全員の良いところを引き出して掛けあわせていくほうがもっとずっと楽しくていいな〜と思います。いろんな人のいろんないいところを知るのは、人生の楽しみの一つなんじゃないかな。もちろんその過程で悪いところもたくさん見なきゃいけないかもしれないけど、それも含めての醍醐味なのではないかしら。
という感じで個人的にはすごくしっくりくる考え方で、わたしの価値観と近いなと思いました。この価値観って20代のころお世話になった会社の社長から教わったものなんですけど、もしかしたら彼もこの本を読んでいたのかもしれないですね。
…みたいなことをフムフム思いながら読み終えてこのエントリを書くためにAmazonで該当図書を探してたんですけど、ついさっきこれのKindle版があったことを知ってキャーンってなりました。本は借りたものとはいえ、あるなら早く言ってよね〜!
いま現在、職場でリーダー的なポジションに居ない人でも、仕事以外の状況においてのサーバント・リーダーシップについても触れられているので、興味あれば一読しておいて損はないと思います。出版されたのは1977年なのに、いま読んでも納得感あるってすごいな、と思う一冊でした。
日野さんのこのコラムとも通じるものがありそう。
こちらもぜひご一読ください!
なんかすっげ意識高い感じのエントリになった!
今日はそんな感じです。
チャオ!