メンタルヘルスの不調は、決して“もろい”人たちだけに起こる問題ではなく、一流の起業家であっても普通に経験することです。
この記事と記事へのリアクションをみて、メンタルヘルスの不調についての認識が変わってきているのを実感した。ちょうど先日、ALL YOURSの創業者である木村氏が退任、というニュースを見て、創業者でも辞めていいし、辞められる組織というのはとても素晴らしいな、と感じていたところ。
わたしはスタートアップの立ち上げ期・もしくは第二次創業期のタイミングで入社することが多く、そうでなくても事業部立ち上げのようなフェーズ、みんなが躁状態でないと乗り切れないような状況に飛び込んできたので、その中で心身の健康を損なう人を自分含めて複数見てきた。
そういう状況に陥ったとき、つい自分を責めてしまう気持ちは分かる。もっとやれたのではないか、自分が至らなかったのではないか、と思ってしまうほうが、手元の情報で想像できる「ありえた未来」の可能性が広がるからだ。
でも現実問題、そこに手が届かなかったのであれば、それは「ありえない未来」として割り切ることが必要だとも思う。また、自分には「できない」ことが「ある」と正直に捉え、まわりに周知していくのも大切だと思っている。
以前、こんな記事を書いた。
「弱み」を隠すのは、トラブルのタネを隠すこと
わたしたち(たとえタフな状況にたえまなく立ち向かう一流の創業者だとしても!)には誰でも弱くもろい面があり、どんな人でも、ふとした瞬間に心が折れそうになることがある。でもそれは悪いことではなく、だからこそ見える世界があるだろうし、気付ける痛みがあると思うのだ。
ここで冒頭の話に戻るのだけれど、少なくともわたしが社会人として仕事を始めた頃に比べて、はるかにメンタルヘルスの問題は身近に、カジュアルになってきている気がする。それは時代の変化かもしれないし、多様性に富んだ生き方の普及による気づきがあったからかもしれない。わたしたちは工業製品ではなく、個別に生きている、でこぼこのある人間なのだ。当たり前のことなのだけれど、そのことを「言ってもいい」状況になってきたのを、嬉しく思っている。
では、そんなでこぼこのあるわたしたちがどうやって働き、生きていくかというのを考えていくと、弱さが「ある」という前提でタフな状況をどう乗り越えていくか、自分をどうセルフケアしていくかが社会人としての必須スキルになっていくのだろうと思っている。
時間をどうコントロールするかのTipsのように、メンタルヘルスケアをどう施していくかの様々なTipsがたくさん広まり、共有されたらいいなと感じている。時間はすべての人に平等だけれど、様々な時短・時間捻出テクニックで乗り越えられることもあるように、人間としてのでこぼこを、それぞれの人がどう乗りこなしているかを知るのは多くの学びがありそうだ。
投資家がメンタルヘルスを重視すれば、起業家は安心して予防や対応に取り組むことができます。起業家がメンタルヘルスを重視すれば、その会社の社員たちも長期的に安定したモチベーションとパフォーマンスの素地となるメンタルを構築できるようになります。
そのためにこういった情報が発信されるのはとても素敵なことだと思うし、メンタルヘルスケアについて偏見のない投資家や起業家、経営者や働き手が増えるのは、良い連鎖を生むと思う。
ということで、最近の個人的おすすめコンテンツを置いておきます。
もしあなたが会社で従業員に対し何らかのケアを提供したいと考えているなら、こんなサービスもあるので検討してみてほしい。(手前味噌ですみません)
体験談はこちらからどうぞ。