インターネットの備忘録

インターネット大好きな会社員がまじめにつける備忘録です。

「無知」を言い訳にしない/竜超「オトコに恋するオトコたち」読んだ

 読みました。

 明るくカラッと「ぶっちゃけこんな感じ!」を教えてくれる良著。大半は男性の同性愛者についてですが、セクシャルマイノリティ=略して「セクマイ」について、幅広く触れられています。

 わたし個人でいうと、新宿二丁目のバーに行ったりもするし、セクシャルマイノリティの友人もいるので、まったく遠い世界ではないのですが、異性愛ほど語り尽くされているものでもないため「こんなこと言ったら失礼なのかな」「こういうときってどうするんだろう」と何となく感じていた疑問がスッと解消されました。
相手を傷付けたくない、失礼をしたくないと思うあまり交流に逃げ腰になるのもおかしいし、応対がぎこちなくなるのは嫌だし、かといって無遠慮に土足で踏み込んでしまって傷付けるのも、つらい。もちろんこの本に書かれていることが100%すべて正しいとも思わないのですが、「こういうふうに考えてるよ〜」がフラットに書かれているものを読むことで、手探りだった道に少しアウトラインが見えてくる気がしました。

 親しくない他者とコミュニケーションを取る際、相手が無自覚に「ふつう、こうでしょ」という先入観のもと会話を始める瞬間ってあると思うんですが、知らないことで無自覚に相手を傷つけるって、セクシャルマイノリティな相手に限らずあると思うんです。わたしは過去、結婚していたとき「子供は?」と無遠慮に聞かれることが、つらかった。
聞くな、というわけではないんですが、それがさも「当たり前」で「良いこと」のように聞かれると、なんとなく自分が責められているような気持ちになったからです。もちろん相手にそんなつもりはなかったとしても、相手の「ふつう」を押し付けられるのは、思ったよりしんどいなあ、と感じて以来、「わたしの『ふつう』と相手の『ふつう』は違うこともはずだ」という前提で話すようにしているんですね。それでいうと、自分と性愛のかたちが違う相手と対応するときというのは、自分が想像していない何かで相手を傷付けていることがありそうだなあ、と思ったことがあって、できれば事前にそれを防げるようになっておきたい。
「だってそんなのわかんないよ、わたしは異性愛者だし、想像つかないんだもん」と開き直ることは簡単ですが、まあ、なるべくしたくないよね、という感じです。

 でいうと、当事者、かつ、「薔薇族」という多くの人が知るゲイ雑誌の二代目編集長である竜超さんが書かれたこの本は「そうなのかー!」の連続で、とてもおもしろかった!
また、愛読している「きのう何食べた?」が肯定的に書かれているのも、なんとなくうれしかったです。(これはこの本を知るきっかけになった安田理央さんもそう書かれていたので、ファン心理なのかしらん)

ということで堅苦しくもなく、自虐に走り過ぎることもなく、ときに辛口に、ときにカラリとあけすけに書かれた楽しく読みやすい一冊でした。おもしろかった!

 今日はそんな感じです。

チャオ!