インターネットの備忘録

インターネット大好きな会社員がまじめにつける備忘録です。

「目が滑る」メールと予防策のこと

出会い系サイトで気づいたこと
http://anond.hatelabo.jp/20110829014003

すごくよくあるこの現象。

二つ質問をなげても、一個しか回答しない現象。
「Aは**だよね? あとBの件は**でいい?」のように一個のメールで二つの質問を投げると、
「えーAは**ですよ」とか「はいそうです」みたいに、片方の質問にしか返事をしてこないことがよくある。
でイラっとするのな。


短文返信してくる人に多いこの現象ですが、仕事のメールでこれをやられるとものすごく疲弊する。
ざっとしか読んでないんだなーと思って怒ったり、イライラしたりしたのですが、自分が送ったメール文を工夫することで若干改善できることもあったので、備忘。

「目が滑る」メールの特徴

文章を読んでいても内容が頭に入ってこない、みたいな意味で「目が滑る」と言いますが、目が滑るメールもやっぱりあります。思うままに書いているとか、とても長い、とか、時系列がバラバラである、とか。

で、客観的に自分自身のメールを読み返したときに、やっぱり見落とされるメールってこういうことをやってるんですよね。
アレもコレもと情報を盛り込もうとして長文になり、親切のつもりでたくさん書いた割に読んでもらえない、という状態になっていました。


アレもコレも盛り込むことが悪いことだとは思わないのですが(相手がいちいち調べたり別メールを参照しなくていいようにするのはよいことだと思います)、伝わりやすいように情報を整理することが必要だなと思います。受け手が情報を整理する必要があるメールは、どうしても後回しになり「見落とされやすい」のです。


個人的に気をつけているのは

  • 件名には「相手にしてほしいこと」を明記
  • 本文は適度に改行を入れる
  • 複数の質問は採番する

あたり。


相手の個性(性格)にもよりますが、必要であれば記号や区切り線を使って「ココからココは別のトピックですよ!」とアピールするようにしています。(ダラダラ長いメールを嫌がる相手もいるので、そういう時には件名を分けて短文メールを複数送るなどしています)


ここは「相手に合わせる」のが最適解なので正解ってないことだと思いますが、サンプルとして、わたしが最近採用している書き方の具体例を以下に。(ちょこちょこ変えているので、将来的にはまた変わるかも)

件名には「相手にしてほしいこと」を明記

すごく基本的なことで恐縮なのですが、よくある例として

件名 : 納期の件

みたいな件名。
納期の何についてなのか、急いでいるのか、こちらはどうすればいいのか、が曖昧なので、「後で読めばいいや」と流されやすいです。


これは業界によって幅があると思うのですが、個人的にメールの件名に情報を盛り込んで相手に伝えようとする規定がハッキリしているのはインターネット広告業界だと思っていて、以下を参照するようにしています。

インターネット広告掲載トラフィックマニュアル
http://www.jiaa.org/traffic/traffic.html


インターネット広告業界に関わってすごく驚いたのですが、件名にものすごく情報を盛り込むのですね。これに100%沿ったほうがいいかは個々で判断すればよいと思いますが、毎日大量のメールをさばく業界ならではのノウハウだと思います。


これを参照してメール件名を工夫すると

件名 : 【要返信】○○納品の期限についてのご確認

件名 : 【報告】○○納品の期限について(返信不要)

みたいな感じでしょうか。

なにより相手がパッとみて「ああこれ読まなきゃ、返事しなきゃ」と理解してもらえるような文を単語を入れるようにすると、見落とされにくいと思います。

本文は適度に改行を入れる

試しに最初に挙げた増田の文章から改行を抜いてみますね。

二つ質問をなげても、一個しか回答しない現象。「Aは**だよね? あとBの件は**でいい?」のように一個のメールで二つの質問を投げると、「えーAは**ですよ」とか「はいそうです」みたいに、片方の質問にしか返事をしてこないことがよくある。でイラっとするのな。それで会った女の子に「メールのやり取りの要領が悪いね」と言ってみたことがあるのだけど「ポイントを稼ぐためにわざとやってる」という返事で、頭にきたのだけどその時は納得はできた。


読みにくい。
最初の1文から後はもう目がザーッと単語しか拾わなくなる感じがすると思います。


個人的には、1行につき20〜30文字に1回は改行を入れるようにしています。
さらに行も3行以上続くと「なんだかたくさん書いてある」印象になってしまうので、適宜空白行をあけるなどして、相手の頭に入りやすいように内容を分割します。


もちろん相手のPC環境などで見え方は変わってくると思うのですが、20〜30文字×3行を目安に情報を入れようとすると、自然に文章を削ろうとか内容を整理しようという感覚が働くので、自分の中で情報を整理するためにも気をつけるようにしています。

複数の質問は採番する

本文とも重複するのですが、文章のカタマリの中に複数の質問があると、どうしても見落とされやすいです。最初にパッと飛び込んできた質問の答えに頭が持っていかれてしまう感じでしょうか。


なので、短文・採番・もらいたい回答をこちらから入れるようにしています。採番するときは機種依存文字を使わないほうが安心です。相手の気分を害するのではと不安になるときは、質問の前後を丁寧な文章ではさむとよいのではないでしょうか。

1:○○の仕様について指示をお願いします>8/31(水)21時まで
2:△△の残タスクについて漏れがないかご確認ください

みたいな感じで送っておくと、もし相手が1にしか回答してくれなかったとしても、「1についてご返答ありがとうございました。あわせて2と3についてもご返信お願いいたします」とリアクションしやすい。


情けは人のためならずと言いますが、こういうところを雑にしないことが回りまわって自分のためになるというのを何度も痛感したので、最初にメールを送る時点で情報をきちんとまとめてしまうほうが、自分にとってもラクなのです。

メール文化ってむつかしい

メール文化ってまだできたばかりなので、受取り手によって「失礼だ」「ここまでしなくても」と思うラインがバラバラなのです。返信のスピードや、書き方なども人それぞれ。

受け手が分かりやすいように、また答え易いように考えて送る、というのが大前提なのですが、相手の感覚がまだよく分からないときは、いわゆる「手紙」の書式を参考にしています。

きれいな手紙を書きたいの
http://d.hatena.ne.jp/hase0831/20100914

でもまとめましたが

手紙の基本形式 | 手紙の書き方
http://www.midori-japan.co.jp/letter/tegamichishiki/tegamichishiki-01.html

にあるように

  • 前文
  • 主文
  • 末文

の3つに沿って、前文と末文を丁寧に書くと、わりと年配の方でも気分を害さずにご返信いただけることが多い気がします。極論、前文と末文は目が滑る程度に丁寧なほうが、いいかも。


笑い話ですが、10年前はメールでも時候の挨拶が入ってたりしました。
最近は減ったけど、まだあるかな?未だに業界や年代によっては「メールで済ませるのは失礼」みたいな感覚はあるので、相手のことを考えて、なるべく合わせるようにしてください。

合わせるのがめんどくさい、という気持ちも分かりますが、合わせないことでこじれるほうが後々もっとめんどくさいことになるので、どこまでやるかは自分の感覚で決めればいいと思います。(後々の火消しが苦にならないなら、ここまで気を使うことはないかも)


わたしは本筋以外のことでこじれてそのフォローに入ることがすごく苦痛なので、事前に予防しておけることはなるべく予防するようにしているため、こんな感じのことをしていますよ、という備忘でした。


しかしメールで要件を済ませるなんて失礼だ!と怒る人に電話して、ひととおり話したあと、「じゃあこの電話で話した内容をまとめてメールしといて」と言われたときの脱力感は、どうにかならないですかね。