インターネットの備忘録

インターネット大好きな会社員がまじめにつける備忘録です。

わからないことは頼めない

過日、無事に女児を出産しました。お元気ですか。

噂に聞く通りまとまった時間が取れないので何か書こうと思ってもなかなか筆が進みませんが、母子ともに、夫も元気に過ごしています。

実際に経験した分娩、というものは辛く、長く、そしてとっても痛い(身体的に)ものではありましたが、人生においてそうそう何度も発生しないイベントだけあって様々なおもしろが発生した出来事でもありました。我が家は自然分娩かつ夫がフル立ち会い、というスタイルだったので、陣痛に苦しむ間、ずっとそばに夫が付いていてくれており、大変心強いものでした。

破水から約19時間、間断なくやってくる痛みと全然出てこない子供の頭を待ちながら、いろんな話をしました。これまでのこと、たった今感じているの痛みのこと、これからのこと、将来、未来のこと。とりとめもない話を陣痛の合間で夫とできて、それまで「腹を何かわけの分からないものに貸している」という感覚だった胎児の存在が、そんなものではなく、確かに間違いなく自分の股の間から飛び出てきて、ここにいる夫と育んでいかなければいけない、もろく弱い生き物なのだということが実感できました。

やっかいな子宮筋腫と共存し約10ヶ月、約1.5リットル弱の出血と共に赤ん坊は生まれてきて今、わたしの隣で寝息を立てています。ここに至るまで様々な人のサポートや心遣いをもらいました。ああ、一人で産むんじゃないんだなと思えた19時間でした。プロの仕事はすごかった。

ここで思い出すのが「陣痛中、マジで旦那が使えない問題」でした。よく聞く話ですが、陣痛中に夫がまったく役に立たず、むしろ邪魔だった、思わず暴言を吐いた、といった類の話です。確かにわたしも痛みに耐えているとき、夫の撫でさすりが逆効果すぎて「触らないで……」と言ってしまった瞬間もありました。でも振り返ってみると、アレは自分でもどうしてほしいか分からないから、夫にもどうしてほしいか分からないんですね。そこにプロである助産師さんが絶妙なタイミングで適切な撫でさすりを与えてくれる(一見、夫と同じことをやっているように見える)ものだから、夫は混乱、わたしも混乱、みたいになるんだなと感じた次第でした。

ただ陣痛中、わたしが迷いなく夫にしてほしかったのは、そばにいてもらうこと、声をかけ続けてくれること、手を握って一緒に子供を待ってくれることでした。あいにく夫の仕事の締切と出産が重なってしまい、深夜の病室で夫が仕事をするためそばを離れることが数回ありましたが、わりとそれは些末なことで、夫がそばにいてくれる、いてくれようとしてくれる、その気持ちが伝われば距離や何をしているかはその次、ということがよくわかりました。これはたぶんわたしが「してほしいこと」がはっきりしていたからだろうと思います。

など理屈っぽいことを考えてみてはいるものの、無事に終えられてホッとしています。高齢出産で不安も多々ありましたがなんとか乗り越えることができたのは夫がそばで最大限の気遣いと愛情を持ってわたしを励ましてくれたからで、ああ作ったのも二人だけど、産むのも二人で産んだ子供だなあ、としみじみしています。感謝ですね。

忘れないうちに、またこんなようなことを書いてみたいと思っています。

今日はそんな感じです。
チャオ!