知ったときには洋書でかつ在庫薄で手に入らないかなあと思っていたサプールの写真集、ソフトカバーの日本語版が出ていたことを知り購入。知らなかった!すごくよかった!
SAPEURS - Gentlemen of Bacongo
- 作者: Daniele Tamagni
- 出版社/メーカー: 青幻舎
- 発売日: 2015/06/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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サプールとは「おしゃれで優雅な紳士協会(La Societe Des Ambianceurs et des Personnes Elegantes)」の頭文字を取った、コンゴのおしゃれ集団で、「エレガントであることに全てを捧げる」人たちのこと。 収入の大半を衣服につぎ込み、彼らがいることで格が上がる、とパーティや結婚式に謝礼をもって招かれることもあるそう。昨年末、NHKでもドキュメンタリーが放送されたとのことです(見逃してしまった……)。
200ページちょっとのコンパクトな本で、写真だけでなくポール・スミスの序文や差プールたちの紹介、という感じでテキストもほどよく入っていて、写真以外も楽しめる良い一冊でした。
文中、
私はクラシカルなスタイルを好みます。
ファッションとは、時代の熱狂とともに常に移り変わるもの。
しかしサップが体現するのは熱狂ではなく、紳士的な態度と洗練です。
とあるのですが、鮮やかな色彩とおしゃれな着こなしの中にも、トレンドというよりどことなく懐かしい印象があって、それはわたしの記憶の奥にある祖父のイメージと重なるせいかもしれないと思いました。
祖父は明治生まれの江戸っ子で、普通の会社員でしたが、外出するときにはステッキを片手に必ず帽子をかぶり、煙管でタバコをのむような人でした。子供の頃、外出時に帽子をかぶる、というのにとても憧れていて、夏はカンカン帽に開襟シャツ、冬は中折れ帽にインパネのコートを着た祖父をかっこいいと感じていたのを思い出しました。祖父とお出かけから帰ってきたあと、ひょいと帽子掛けに帽子をひっかけるのが素敵で、真似したかったなあ。わたしが初めて大人の男性としての「粋なかっこよさ」を感じたのが祖父だったので、サプールのエレガンスがその思い出と重なったのかもしれません。
エレガンス、というのは現代において死語になりつつある言葉なのかもしれないですが、年齢を重ねれば重ねるほど、意識しておかなきゃいけないことなのだろうと感じました。過度に装う必要はないけれど、美しく、誇りをもっていたいですね。
このへんの記事もおもしろかったです。
収録されている写真を何点か見ることができますよ
今日はそんな感じです。
チャオ!