コミュ障に悩む技術者へhttp://togetter.com/li/435891
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全員が全部をやろうとすると死ぬ
プロデューサーやディレクターなど、渉外業務に重きを置く職種と、エンジニアのような技術に重きを置く職種が分かれているのは、全員が全部の仕事をカバーしようとすると死ぬからだと思います。
渉外業務には渉外業務の、開発業務には開発業務の、それぞれ「集中的に学んで習得しなければ身につかない特殊なスキル」があって、それを1人が全部カバーしようとすると、いわゆるモーレツ社員というか今でいうならブラック企業の社長さんみたいな勢いで仕事をしなきゃいけなくて、仮にそれが出来るレベルの人だとしても、肉体的な強度が追いつかないと、あっけなく壊れます。
そういうのを避けるための職種分けなんだし、他人が遂行している業務を外側からだけ見て「そんなこと俺だってできるぜ!」と思っているのなら、大変な傲慢です。
「自分にもできる」と「今すぐできる」は別
仮にプログラムもバリバリかけるディレクターがいたとして、じゃあ実際にクライアントとの折衝やら外部スタッフの調整やらと兼任して開発業務もできるかっていうと無理だと思うんです。ここでいう「無理」っていうのは、「手を付けられる」ことではなく、「一定の品質をクリアする水準の成果物が出せるかどうか」です。一定の品質、にはもちろん納期も含まれます。
ディレクターや営業が担保するのはクライアントの依頼と予算を守った成果物を納品するための管理で、エンジニアが担保するのは依頼された内容の成果物を出すこと。「クライアントの意図や使い手のニーズを踏まえた設計」をしてほしいなら、「クライアントの意図や使い手のニーズを踏まえた依頼」を考えるのは、ディレクターの仕事じゃないんでしょうか。
「技術者はコミュニケーション能力が低い」「出来ないことしか言わない」というなら、それを補うのが他の職種がいる意味なんじゃないですかね。もちろん進めていく中で見落としやミスが出てくるのも当然で、そういった万一のトラブルに対応できるよう、それぞれの分野のプロが集まって一緒に仕事してるんじゃないでしょうか。
人のふりみて我がふりなおせ
「言ったことしかやらない」のは一方的に「これでやれ」としか言わないからなのではないか。
自分の依頼内容に漏れはなかったのか。「このくらい言わなくても分かるでしょ」と思っていなかったか。
この自問自答は、相手がどんな職種でも、業種でも、性格でも関係なく必要です。
少なくとも、自分以外は他人なわけで、他人に自分の頭の中を100%分かってくれだなんてムチャですよ。
もし「そんなことない!自分には分かる」と思ってる人がいるなら、ほんとうにもうどうしようもないのでどうかわたしと関わりのない惑星で末永く元気にお過ごしくださいと願う以外ありません。
自分の依頼内容に100%間違いがなかったのであれば誤ったものは上がってこないし、そうでないなら依頼のプロセスに誤りがあったわけで、誰のせいでもありません。相手は魔法使いじゃありません。もちろんあなたも悪くありません。分かっていることと分からないことを可視化できない業務フローが悪いだけなので、とっとと見直しましょうよ。目の前に課題が見えてるんだし、それを潰していけばいいだけじゃないですか。不満があるなら改善策を出しましょう。組織に問題があるなら交渉しましょう。困ったことあるなら直接本人に言いましょう。コミュニケーション能力があるんでしょう?ならそのくらいお茶の子さいさいなんじゃないですか?
他人を見下している人は、自分も同じだけ他人に見下される可能性をまき散らしていることに早く気付いていただけるといいなと思った2013年の始めでございました。本年もどうぞごひいきに。
#ちなみにわたしはディレクター/セールス職側の視点から書いています