読み終えた瞬間のテンションが高すぎて信者っぽくなりそうだったのでちょっと寝かせて置いたのですが、読み終えました「誰でも美しくなれる10の法則」についての備忘を。

誰でも美しくなれる10の法則 全米No.1ファッションアドバイザーが教える
- 作者: ティム・ガン,ケイト・モロニー,野澤敦子
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2011/07/08
- メディア: 単行本
- 購入: 37人 クリック: 908回
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なんだよこのタイトルっていう感じですが中身はちゃんとティム・ガン調なのでご安心を。
NHK教育「ティム・ガンのファッションチェック」がすごい
http://d.hatena.ne.jp/hase0831/20101005
ティム・ガンは最初から今のティム・ガンじゃなかった
NHK教育の番組では洋服(しかも普段のワードローブ)に限定した企画でしたが、書籍では髪型から靴、フォーマルの装いまで網羅してありました。
で、やっぱりすごいなあと思ったのは、「あれを買え」「これを揃えよ」ではなく、「自分を見つめた上で長所を伸ばし短所を小さくしよう」と謳っている点。最初のページでこの文章を読んだとき「ありがちな自己啓発本だったらどうしよう」と不安になったのですが、ちゃんと最後までティム・ガンでした。
なにより驚いたのはティム・ガン氏自身、もともとは『売れない彫刻家』であり『ジーンズにチノパン、Tシャツがあれば十分』だった、というところから、NYに出てきたときに『客観的に見つめた自分が、地味でもっさりした男だったのには本当に悲しくなりました』というファッション遍歴。
ジオラマ製作で生計を立て、美術大学で3Dデザインを教えるようになってから「自分の立場にふさわしい装い」を意識し始め、ファッションを考えるようになったというのが、いわゆる「ファッションオタク」から入った人とアプローチが違う理由だったのですね。
「アイテム」ではなく「フォーマット」を考える
番組でも名言が多いというか、頭にポンと入ってくる表現をする人だなあと思っていたのですが本書でもたくさん名言がありました。
大事なのは
「クオリティ(質)」
「テイスト(雰囲気)」
「スタイル(美しい型)」
あなたがこれからフォローすべきは、ジャッキーやオードリーのようなアイコンではありません。ファッションメンターを見つけてください。
ティム・ガンは「ファッションアイコン」ではなく「自分なりのスタイルと個性を持つファッションメンター」を探せ、と説きます。
そして挙げられた10のファッションメンターの分類がもう面白くて面白くて。
いくつか例を引用すると
シックなフランス女性
カトリーヌ・ロワトフェルド/シャルロット・ゲンズブール/カトリーヌ・ドヌーヴ
フランス女性はまさに「好きか嫌いか」の二択の達人です
男を惑わすセイレーン的な女性
アンジェリーナ・ジョリー/ナイジェラ・ローソン/ジュリー・クリスティ
自分の男に会わせたくないタイプの女性を、ここではギリシャ神話『オデュッセイア』に出てくるセイレーンになぞらえてみましょう
そして「ああ、そうそう!」と思わず声をあげてしまったのが
最先端を走るリスクテイカー
ケイト・モス/サラ・ジェシカ・パーカー/クロエ・セヴィニー
このカテゴリーには「今笑っても、あとで買う」という副題がつきます。
これ以外にも、まずファッションメンターとなるタイプを分類し、彼女たちの個性を分析し、そして定番スタイルを挙げてみる、という流れですごく興味深い章です。この分類だけでも買ってよかったと思えました。
「ビストロポジション」
素敵に服を着こなすには姿勢をよくしなければいけない、まっすぐ立たなければいけない、歩き方を直さなくてはいけない、といろんなところで聞きますが、この1ワードで個人的には解決できそうです。
ティム・ガンは『骨盤の位置に関する最もよいアドバイス』として「ビストロポジション」という言葉をある著書から引用しています。
ジャネット・レインはこの本の中で、「骨盤を正しい位置に保つためには、混雑したレストランでテーブルとテーブルの間をすり抜ける時を想像しなさい」と書いています。
フランスのビストロはたいてい混雑していて、テーブル同士の隙間は数インチしかないもの。そんな時は誰もが、本能的に下半身を引き締め、おへそをぐっと引っ込めているはずです。これこそが骨盤の正しい位置なのです。だから正しい骨盤の位置は「ビストロポジション」と呼ぶこともできます。ピラティスをやる人なら、基本の「スクープ」のポジションだとピンとくるでしょう。
残念ながらわたしはフランスのビストロに行ったことはありませんが、席が狭く混雑している居酒屋になら何度も行ったことがあります。
トイレに行こうとして「すいませーん!」とすり抜けるときのことを思い浮かべると下腹部にぐっと力が入り、身体は人の間をすり抜けられるように直立します。なるほど!と思いました。
自分を肯定し、良いところを伸ばし、様々なことに興味を持とう
全部を全部引用したいほどなのですが、読み終えたとき思ったのは、「自分の良いところも悪いところも客観的に見ないと、どうにもならない」ということでした。
全編を通して「あなたはどんな人?」「なにが好き?」「なにが似合う?」に向きあうための視点とヒントをたくさん用意してくれて、服を着るということだけに限らない「装う楽しさ」を解説してくれています。
ハイブランドを買わなきゃだめ!と否定するでもなく、H&Mやバーゲン、ネットショップとも上手に付き合い、自分が一番素敵で気分よく過ごすためにどういうアイテム選びをするべきかについての具体的なアドバイスは、テレビ番組そのもの。
「俺様がファッション改造してやるぜ」ではなく「あなた」=読者のベストをどうやって見つけるかを一緒に考え、継続可能なポイントを探ってくれます。
バッグの選び方、香りの意味するもの、靴でどう演出するか、フォーマルの装い、旅のパッキングについて、などなど、髪型から靴選びまで、すべてに渡って丁寧に解説されていて、最後に出てくるティム・ガンがおすすめする「スタイルのある映画」「スタイルのある本」「スタイルのある香り」「ファッション用語を知る」はメモして貼っておきたいくらいです。
あまりに面白いので定期的に読み返すべく、本棚の一番いい場所を確保しようと思います!

誰でも美しくなれる10の法則 全米No.1ファッションアドバイザーが教える
- 作者: ティム・ガン,ケイト・モロニー,野澤敦子
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2011/07/08
- メディア: 単行本
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