インターネットの備忘録

インターネット大好きな会社員がまじめにつける備忘録です。

飲み会のプロトコルについて個人的なスタンスの表明

 このTweetがそこそこRTされているので、まとめておこうと思います。

トピックは3つです。

  1. 飲み会にプロトコルがあるのは事実
  2. それに則って行動するのは馬鹿馬鹿しく、煩わしくもあるが合理的でもある
  3. ただ、それを再生産していかないというのが未来を作る我々の役目

です。以下でそれぞれについて書きます。

1.「飲み会にプロトコルがあるのは事実」

飲み会、と言うかこの場合でいうと接待を目的とした半ば公の、食事とお酒が提供される食事会、という感じですが、そこでの振る舞いのルール、というのは確実にあります。感覚でいうと、40代がちょうどグラデーションが一番激しくて、業種や職種で厳しさが違う。わたしはウェブの、しかもベンチャー界隈なので、ルール違反のタブー感は、ほぼありません。そういう息苦しさから逃げてきた人が多くいるのもあって、上からも強制されないし、わたしたちの世代も下に強制しない。

これが古い会社、大きな会社、年代が幅広くいる会社になると急に変わってきて、同席する相手が40代、50代、もっと上の人が登場してくるので、条件が変わってきます。彼らは30年、下手すると40年もそのルールの中で振舞ってきているので、それが常識になってきてしまっているし、そのルールさえ守っていれば、安全でした。なので彼らのそういうプロトコルを否定するのは彼らの数十年を否定することになるので、頭からバカにするのはなかなか酷なのでは、とも思っています。

2.「それに則って行動するのは馬鹿馬鹿しく、煩わしくもあるが合理的でもある」

ワイドショーなんかで犯人のご近所さんなんかにインタビューするとき、「自分からちゃんと挨拶をしてくれる良い子だったのに」という定番のコメントがありますが、これも「自分からちゃんと挨拶をする子は良い子である」という暗黙のルールに則った発言ですよね。そして我々もそのように教育されているので、ある意味、仕方がないんですが、これと同じことなんじゃないかなと思います。

飲み会での振る舞い、という暗黙のルールを全員が把握した上で同じ振る舞いをする、というのは、敵ではない、よそ者ではない、というポジションの表明にもなるので、相手が自分の敵なのか味方なのか、判断の閾値がぐんと下がります。少なくとも自分に向かって笑顔を向けて、「よかったら、飲みものをサーブさせてください」と近づいてくる相手は、自分をシカトする相手より、味方っぽいですよね。個人的にこういう「暗黙のルール」というのは敵か味方かのふるい分けをラクにするために編み出されたんじゃないかなと思っているのですが、だったらそのルールに乗っかっちゃったほうが、ラクです。

マナー、というのは、ひとまずその場を乗り切るために、相手へ敵対心を抱いていないことの表明をするためこんなにラクなマニュアルはないと思います。心のなかでは悪態をついていたって、その行動さえしていれば、ある程度は無駄な争いを避けることができる。そして多くの繊細な判断を求められる他者との交流の場で無駄なエネルギーを消費するのは、あまり得策ではありません。仕事での利害関係が発生しそうなら、なおさらです。

逆にこういうプロトコルがない相手との飲み会は、なかなか苦戦します。相手にどういう態度を取れば敵ではないというメッセージが伝わるか、マニュアルがないからです。より本質的な観察が必要になるし、相手も「オレはマニュアル通りに向かってきても懐柔されないぞ」というメッセージを発していることが多いので、ものすごく考える。とはいえ、わたしはそういう交流を好みますし、わたしも同じように思うので、今いる環境の価値観がフィットしているのですが、疲れるといえば疲れます。だって、全部がオーダーメイドなんだもの。

3.「ただ、それを再生産していかないというのが未来を作る我々の役目」

そしてここが大切なのですが、1、前時代の人たちの価値観や考え方は把握しつつ、2、で合理的である場面だと判断したなら採用すればいいのですが、それを自分たちより下の世代に強要するのは、不幸の再生産でしかないので、やめていこうぜ、というのがわたしのスタンスです。

あるルールが定着しすぎると必ずそれの裏をかく人がいてその対処を考えるのがダルいし、何よりルールがローカライズされすぎていて、もう対応しきれない。そしてそもそも、覚えるのが面倒くさいです。自分が敵対したくないと思う相手がそれで気持ちよくなるならそれに則るほうが合理的ですが、それだけだといつまでたっても状況が変わらないので、自分が場のオーナーになる機会があれば、どんどん解体していきましょう。

わたしも30代後半で、ちょうど上と下の世代の端境期にいる自覚があるので、とても悩みます。わたし自身は上から教えられているので対応できるけれど、わたしが下の世代に教えない、というのは下の世代がわたしよりもっと上の世代に対応できない状況を生み出しかねません。そうなったとき、彼ら彼女らが本意ではないのに「失礼な態度をとった」と誤解されて不利な状況に立たされるのは、ちょっと嫌だなあと思っています。

なので「こういうルールがあるんだよ」とは教えるけど「でもわたしにはしなくていいよ」「練習したいなら、つきあうけど」というのを基本スタンスにしているし、わたし自身、これから先のキャリアでまだまだ上の世代とも付き合いがあると思うので、飲み会でのプロトコルは、常にチェックしていくつもりです。とはいえ、本質的には上に書いたようなことを、そういうふうに考えているので、なんか、いろいろあるけど、みんな仲良くしようぜ!という気持ちです。

 

つまり何が言いたいかというと、お酒は楽しく飲みましょう!
ということですね!

 

今日はそんな感じです。
チャオ!