phaさんの新著「持たない幸福論」を読みました。
持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない (幻冬舎単行本)
- 作者: pha
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2015/05/26
- メディア: Kindle版
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すごく良かった!書かれていることにとても共感しましたし、「どちらか」に寄り過ぎることもなく、でも淡々と、phaさんがなぜ今の思考やスタイルに落ち着いたかを一緒に辿れるような、良い本でした。わたし自身、「ああ、自分が抱えている違和感は、わたしだけが感じているものじゃなかったんだ、よかった」と思えて、とてもすっきり。
個人的に強く響いた点としては、
- 「家族」や「幸福」の理想は、それぞれの時代で形態が変わる
- 家族でもコミュニティでも、閉じてて逃げ場がないとキツい
- 「みんなが言う理想」より、「自分がしっくりくる生き方」を探すほうが先
- 「しっくりくる生き方」をしていれば、お金はそんなになくてもいい
- 「ダルい」という感覚は大事なので敏感になるべき
- 本を読むことで様々なケースを知ることができ、生きるのが楽になる
あたりです。委細はぜひお読みいただくほうが、スッと入ってくるのではと思います。
phaさんは繰り返し「この欲望は本当に自分の心から出てきているものなのかな」と問うてきたんだなと感じましたし、「違和感」ってサバイバルのためには重要な能力です。東京に住んで生活していると、広告や情報に振り回されすぎないよう本当に気をつけなければいけない、と常々思います。
そういうとき、いつも思い出すようにしているのが、某社の戦略十訓。
- もっと使わせろ
- 捨てさせろ
- 無駄使いさせろ
- 季節を忘れさせろ
- 贈り物をさせろ
- 組み合わせで買わせろ
- きっかけを投じろ
- 流行遅れにさせろ
- 気安く買わせろ
- 混乱をつくり出せ
むかーし使われていた標語だとも聞きますが、こういう戦略に沿って広告が作られているのだとしたら、我々はそれに振り回されないよう、常に自分で自分に「わたしは何を求め、何を大切にして生きていくのか」を問うて行く必要があるのだろうと思います。他者から知らない世界や知らないことを教えてもらうのは楽しいし、刺激を受けるのもとても素敵なことですが、刺激を正しく受け入れるためには、まず、「自分の素地」がしっかりしていないといけないんでしょうね。
消費の快楽も楽しいですが、快楽の過剰摂取は危ういし、行き過ぎると破綻するのは、どんなことがらでも一緒ですね。なにごとも、「基礎工事」が大事!ということで。
お金や消費の話に限らず、とらわれない、縛られない、無理だと思ったなら逃げていい、という「ゆるさ」と「ダメでもいいんだ」という示唆に富んだ一冊でした。頑張りすぎそうになって疲れたら、読み直すと思います。巻末の引用書籍リストも、すごく良いと思いました!
今日はそんな感じです。
チャオ!
持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない (幻冬舎単行本)
- 作者: pha
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2015/05/26
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あと余談ですが本文でサラッとカズオ・イシグロ「わたしを離さないで」のネタバレがあるので、読んでない人は先に読み終えてからをおすすめします。わたしこの小説大好きなので、ぜひ読んでほしい。名著です!