インターネットの備忘録

インターネット大好きな会社員がまじめにつける備忘録です。

天才クリエーターにはなれないけど、それでもやっぱり企画が好き

▼ 画期的なアイデアをひねり出すためのブレインストーミング、5つの鉄則
http://blog.so-net.ne.jp/shi3z/2008-02-20


天才・清水さんの仕事術、という意味ですごくためになる面白いエントリでしたが
凡人の企画屋が取り入れてすぐに結果につなげられるかというとそうでもなく、
弊社にいたっては、そもそも第四段階の

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第四段階 人を集めてうまいものを食え自分なりに十分な時間と知的資源を使ってアイデアの端緒を掴んだら、次の段階に進むことが出来ます。

次の段階はより重要で、美味いものを食べながら人と話をすることです。アイデアをぶつけ合う必要があるので、これは社員にしかできないことです。また、秘密の話をするのであれば、会社で食べるか、個室のある店で喋る必要があります。これがブレインストーミングになります。

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というあたり「そんなに社員の人数がいません!泣」になってしまう。


友人を集めてクライアントをボカしてアイデアを募ることもできるけど
クライアントのゴールが共有出来ていないと、
なんとなくワイワイ夢の話をして終わった、ということにもなりかねない。
それじゃあ意味がない。


そうなると、いわゆる「ひとりブレスト」状態になるわけですが
そのためには自分の中にある引き出しから、がらくたでもいいから
いかにアイデアを引っ張りだすかにかかってくるのではと思います。
ということでひとりブレストの手法を備忘。



  • ぜんぶ吐き出す

ひとりブレストで重要なのは、アイデアになる前の前の前〜の段階の
なんとな〜くモワッと浮かんでいる小さな粒を掴んで目の前に定着させ、
1つじゃ役に立たないアイデアをつなぎ合わせたりかけ合わせたりすることで
企画として形を付けてあげていくことです。


わたしがいつもやるのは、目の前に最低でもA4サイズの白紙を広げて
中心にクライアント名やらその日考えなきゃいけない企画のテーマを書きます。
それを中心にしてマインドマップを広げていくので、その中心に置く言葉は
それなりに芯をとらえたものでなければいけないので要注意。


で、その言葉だけを見つめて、そこから派生して思いつく言葉や事柄を
その周りに引っ張っていく作業をします。
企画に関係ない言葉でも、なんでも思いつくまま。


#たまにですが、「銀行いかなきゃ」とか「○○にメールしとく」とか
自分のTODO洗い出しになってたりもしますが、それはそれでめっけものです。

  • 企画に名前をつける

ここから先がまたアナログなわたしらしく作業効率が悪いとは思いつつ、
広がるだけ広がったマインドマップを元に企画をイメージし、
その企画を一言で表すキャッチコピーを考えます。


これはあとでまとめるときにイメージできるようにするためなので、
ありふれた言葉でもよしとします。


そのキャッチコピーを、今度はポストイットに書き写していきます。
自分だけが分かればいいので、すごくざっくりなメモでOK。
キャッチコピーに説明文2〜3行程度。


1つのキーワードから2〜3個企画案が浮かぶこともありますが
それぞれ別のキャッチコピーがつけられそうな企画なのであれば、
別々にカウントして、ポストイットに書きます。


考えながら手書きすることで、すごく集中できる気がして、
書いている自分の手を見ながら違うアイデアを考えたりもします。

  • 分類する

ポストイットに移し終えたら、また別の白い紙の上、
べつに紙の上でなくてもいいのですが、なるべく広い場所で
そのポストイットをジャンル別に分類していきます。
分類名目はなんでもよくて、わたしは
「PC向き」「携帯向き」「イベント企画」みたいな感じのときもあれば
「読み物」「ツール」みたいに分けることもあります。

  • 精査する

その中から「これはさすがに…」とか、今回のテーマから
少し離れてしまっているようなものは、保留としてよりわけ、
さらに深堀りできそうなもの、かけ合わせたら使えそうなものなどを
最低で3本、最大でも5本まで絞り込んで、企画書へ。


このときわたしは「松」「竹」「梅」プランみたいな感じで
価格と規模を3段階設定にして出すことが多いです。
落としどころは竹を基点に少し上下するくらいのイメージで。


  • ここまで来れば企画書は楽勝

ここまでくれば、あとは企画書にテキスト書きしていって、
必要な画像とかを入れていくだけなのですが、企画書には
なるべく文字を入れないようにします。


企画書は業界だったり会社の風土なんかでずいぶん違って、
緻密にデータやら説明文やらを書き込むところもあれば、
コンセプトどーん!イメージ写真ばばーん!価格どかーん!
みたいな、大味な企画書でプレゼンでカバーするところもあり、
一概にこうだというのはなくていいと思うのですが、
自分がプレゼンしやすく(ストーリーになっている)、
かつ相手が分かりやすい(イメージがしやすい)ものであること。


わたしの好みなのですが、好きな企画書は最低限のことだけ紙に落ちていて、
(テーマとターゲットと目的、企画の骨子、概算見積もりとスケジュールくらい)
肝心なところは打ち合わせで直接プレゼンさせてもらう感じが好きです。


すべてが載った企画書を渡したとたんパラパラッと勝手にめくられて、
勝手にイメージされて、勝手に結論づけされてしまうと嫌だなあ、
という至極勝手な理由からなのですが…。
もちろん相手を選びますし、初回プレゼンに限る話です。


2回目、3回目以降は、その担当の人が社内でも使いまわせるように
意識してきっちり書き起こすことが多いです。
ただ相手の立場的に、あまりざっくりした企画書しか渡さないと
相手が社内で企画を通しにくい(説明しきれない)ということもあるので、
そういう場合はプレゼン後、すぐに企画書含む必要資料をフォルダで圧縮して
送るようにするのがよいかと思います。


ポイントはその時使えないなーと思った企画でもとっておくこと。
たまに取り出して眺めてみると、その時持っている別の企画に使えたり
新たな視点で考えるのに役立ったりして、過去の自分ナイス!と思ったりします。

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  • まずは引き出しにいっぱい詰めておこう

少ない人数や短い時間でより多くのアイデアを出そうとしたら
日々「おっ」って思うことのストックがどれだけできるかにかかると思うのですが、
とりあえずすぐにできそうなあたりとしては、


・ジャンル問わず本を何しろたくさん読む(本でなくてもいい)
→漫画やら新書やら、ビジネス・ファッション雑誌など雑食で立ち読み。
わたしは最低でも4半期に1回は漫画喫茶に行って、人気コミックコーナーの漫画を
ざーっと読むようにしています。
本や雑誌、漫画は腐ってもその道のプロが頭をひねって考えているものなので
それをパッと手にとって読み流すだけでも、拾えることはたくさんあるかと。


・なるべく遠い業種の友達と定期的に飲む
→どうしても近い業界の人とだけ集まってしまうと、共通言語が
たくさんあるので、自分が追っかけているものが世の中全般にとっても
当たり前のように感じてしまうのですが、実はそうではないわけで。


一般職のOLさんとか、主婦やフリーター、バンドマンの友達と会って、
彼ら彼女らが今なにを面白がっているかを聞くのはすごく勉強になります。


・面白そうと思った企画はまず体験してみる
→この間のエントリ(【所感】DSを使って江ノ島で宝探し企画
でも書きましたが、「へ〜面白そう」だけじゃなくて
やっぱり身を持って体験した経験が一番情報量が多い。
当たり前ですが、仕事が忙しいとどうしてもおろそかになってしまうので
このへんはとくに気をつけるべしです。
ちなみに今年はじゃがいも畑オーナーになって秋の収穫時に堀りに行きます 笑
そうやって「なんかいつも面白いことをやってる人」っていうイメージづくりも大事かと。

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どんな小さいことでもしっかり拾い上げておいて、
どんな小さいことでも全部吐き出して企画に活かす。


凡人の企画屋として一番大事なのは、
「企画貧乏性になれ」ということ、かもしれません。


おそまつ。

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(追記)
これもあわせて読むといいかも

▼ アイデアのひねり出し方
http://www.authenticbar.com/kqz/days/archives/001661.html