働きかた、働く理由、みたいなことについて考えたり振り返るときには、やっぱり人が書いた本を読むのがいいなと思ったよ、という話です。
バリバリ働くのも嫌いではないのでGTD本とかリーンなんちゃら本とかも読むのですが、それってつまり「自発的に能力を磨いて成果をあげるぞ」という働きかたを選んだ先に選ぶ本なんですよね。今さらな話ではあるんですが。
それ系の本については、何度かまとめてきました。
学習って、結局読書が一番効率良い気がする - インターネットの備忘録
梅雨どき引きこもり期に薦めたい思考練習によさげな本 - インターネットの備忘録
で、2016年、新しい年になり、新しい春を迎えるので、「働く」ことを改めて考えなおしていて、ちょっと読みたい本の志向が変わりました。
「そもそも」を問い直そうというか、何で働くんだっけ?何のために働きたいんだっけ?というのを整理しなおしています。15卒の子たちと私的に飲みに行く機会があって、彼ら彼女が社会人になってもうすぐ1年ということもあり、あれこれ相談に乗る過程で、自分の中の考えも再度整理しておきたい、と思ったせいもあります。
ということで、以下。
ほぼ日の就職論 「はたらきたい。」
2007年に公開された「ほぼ日の就職論」には、とても影響を受けました。みうらじゅんさんの動画がめちゃめちゃおもしろいです。あと、ピエール瀧、板尾創路、ハマケン(当時はSAKEROCK)、天久聖一、この4人の対談も、めっちゃおもしろいです。まだ読めます。
まっ暗な道を行くときにも、
遙か遠くに村の灯が見えたら、
勇気をもって、一歩一歩を踏みだしていける。
その微かな灯みたいな役割を、
ひょっとしたら、
ぼくらの特集は果たせたかもしれない。
というテキストで締められたコンテンツが、一冊にまとまった本です。
労働讃歌でもなく、就職否定でもなく、「こういうふうに働いているひとたちがいるよ」という、フラットな視点でまとめられていて、いつ読んでも新鮮な気持ちで発見があります。
「楽しくたって、仕事はできる」という言葉が印象づよく、わたしは今でもこれを求めていて、今、実際にそうできているのは、この本を読んで感じた気持ちに素直に従ってきたからだろうなと、改めて実感しました。
「持たない幸福論」pha
持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない (幻冬舎単行本)
- 作者: pha
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2015/05/26
- メディア: Kindle版
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基本的に働くの好きだし楽しいんですが、オーバーワークが続いたり違う生き方の可能性に触れたりするとちょっと気持ちがゆらぐ瞬間があって、あえて真逆の生き方について考えてみよう、と思うきっかけになったのがこの一冊です。
本書でも書いてあるのですが、周りからの騒音や雑音に振り回されず、環境に流されそうなときはちゃんと「自分自身はどう思っているんだろう」を見つめて、都度、軌道修正をしていく、調律をしていく、というのが大事だなと思います。
「『ない仕事』の作り方」みうらじゅん
遊びが仕事になっているように見えるみうらじゅんさんの仕事術本。
書かれていることは属人性が高すぎるし、仕事術……?とも思うけれども、好きなことを仕事にする、それでお金を稼ぐために、自分から仕掛けていく、というスタイルは参考になります。そうか、働くって別に会社に勤めるだけじゃないし、嫌なことを我慢してやることを指しているわけでもないんだなというか。
これらを一通り読み返して、自分の中でモヤモヤとした断片的な考えや発見が沸いてきている段階なので、これがカレーの具みたいに良い感じに煮えてきたら、きっと何らかの完成形が見えてくるんだろうと思います。
この「モヤモヤとした断片的な考えとか発見」が大切で、自分で認識できていない、自分の思考の奥底にある小さな枝みたいなものをひろいあげて形にしていくために、外から新しい刺激を持ってこなければいけない。刺激があってはじめて「ああ、こんな枝があったのか」に気付けるので、自分だけで考えて煮詰まったときには、外の刺激を求める、というのがわたしのやり方のようです。セレンディピティってやつなんですかね。
そのためにはやっぱり本っていいなあ、すごいよなあ、と思ったのでした。
今日はそんな感じです。
チャオ!