見てきました。
ハイパー高速エログロエンタテイメント映画で、まさにドラッグ。
暴力的すぎて見終わったあとしばらく頭がガンガンしましたね。
行くまで見ないでとっておいた破壊屋さんのエントリを読むと、二度も三度も面白いです。
個人的には「役所広司スッゲーな!」というのがまず第一印象。
役所広司演じる元刑事の「昭和」が原因となって全部が破綻していっているのに、彼自身はそれを受け止めきれずにただ自分を受け入れて欲しくて触るものみな傷つける勢いで暴力を振るい続けるというクズさ。クズだし最低だしバカだし滑稽なんだけど、なんとなく「もっとがんばれよ」とか「もういいよお前はよくやったよ」とか思ってしまう魅力がありました。まあ最終的にはダメなんですけどね。
娘の捜索に執着するのもそれをきっかけに自分の存在を受け入れて欲しいからで、他人との関係を普通に築けないつらさや寂しさ、もどかしさを暴力でしか表現できないまま狂気に至るのは救いがないけど、最高に良かった。元妻とも娘とも、周りにいる人間とも、暴力を通じてでないとコミュニケーションできない弱さみたいなのが常に汗だく血まみれの役所広司から汗のようにブワッと出ていて迫力でした。
物語の大半は暑い夏のギラギラした空気の中で展開しますが、暑い夏の空気と、真っ白な雪山の対比も好きでした。中谷美紀は殴られたり蹴られたり怯えてオヨオヨ逃げる様子がいいですね。嫌われ松子の一生っぽかった。
バカで弱くてクズな一人の男のもとにトラブルが収束していって最後パーンとなるのは物語としても面白いですし、ドラッグのメタファーとして描かれたという「加奈子」の存在感もすごくて、ウワー何だこの子と思ってたら、docomoのdスタイルCMに出てた子だったんですね!あの子、めちゃくちゃ良かったね。
ドコモdビデオ TVCM 「駅篇」 30秒 - YouTube
透明度の高い冷たい湖に吸い込まれるような美しさと恐ろしさがあって、映画を忘れてもっと彼女を見ていたいと思ってしまうほどでした。
あと俺たちのミッチ(from 仮面ライダー鎧武)も出てて、最後アレだったけど、なかなかいい役だったのではないでしょうか。
ということで自分自身グロ耐性わりとあるつもりだったのに何度かギャッて目を背けるほどの映画でしたが、監督のやったるで感がすごくて良かったです!中島哲也のバイオレンス大丈夫で普通の感動映画とかはイマイチ面白くないと思ってる人は是非!
(あとオープニングのあの演出、なんかのオマージュなのかなと思ってモヤモヤしてるんですけど分かった人いたら教えて下さい!)
- 作者: 深町秋生
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2010/12/04
- メディア: 文庫
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
- 作者: 深町秋生
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2010/12/04
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (7件) を見る