インターネットの備忘録

インターネット大好きな会社員がまじめにつける備忘録です。

「こんなに食べるものがあるのに、食べたいものがひとつもない」

「イクメン、弁当男子」は、なぜ出世できないかhttp://president.jp/articles/-/8136

プレジデントの記事がひどすぎと話題にhttp://togetter.com/li/426738

会社員時代、ほぼ食事はコンビニ、という時期がありました。
ランチを食べに行く時間も、夕食を自炊する時間もなく、5分のスキを見つけて会社そばのコンビニへ駆け込み、おにぎりやお弁当やホットスナックなどを買ってデスクで食べながら仕事を再開、というのが日常になっていたという異常事態だったのですが、ある日の深夜、夜食を買いにコンビニへ行ったとき、煌々と照明が眩しい店内を何周しても、何一つ食べたいと思えるものがない、ということがありました。

店内には様々な工夫をこらした食べ物がたくさん陳列されていて、それぞれのパッケージには「これはこんなにオイシイですよ!」と訴えかけてくるメッセージがびっしりと書かれているのに、そしてお腹も空いているのに、食べたいと思えるものがひとつも見つけられなかったのです。

「こんなに食べるものがあるのに、食べたいと思えるものが何一つない」

美味しいものが大好きだった自分には大きな衝撃で、正直パニックになりました。
元々カップラーメンもスナック菓子も嫌いじゃないし、ファストフードだって大好きです。なのに、何で?なんで?と思いながらお店を後にして、暖かい飲み物で空腹を紛らわせた覚えがあります。


同じ時期に夫と出会い、在宅ワーカーだった彼の手料理を食べたときにハッとして、「こんなに複雑で味の豊かな食べ物があったのに、何で気づかなかったんだろう?」と思ってからは、あまりコンビニへも行かなくなり、現在は食事はほぼ自炊です。
たまにコンビニごはん、ファストフードも食べますが、なんというか、イベント感があって、これもこれでオイシイ!と思えるようになりました。コンビニって食べ物のレベルがすごく高いですよね。こんなのが500円以下で食べられるなんてすごい!って思うこともしばしばあります。


なんてことを思うようになって、振り返ってみると、当時はなんというか、「ごはん」ではなくて「エサ」のような感じでした。
自炊メインに切り替えてからは肌荒れや胃潰瘍もかなり改善されたので、自分の生活をちゃんとケアすることの大切さを実感しています。コンビニがどう、自炊がどう、ということではなく、「ちゃんとごはんを食べる」ということをする余裕がないのがよくなかったんですね。


そんな経験もあり、外食ばかりで体調を崩すくらいならお弁当を自作してくる男性のほうがよっぽど自己管理できていると思うし、仕事と同じくらい家庭に重きを置いて、育児に関わろうとする姿勢はとてもカッコイイですよね。
実際、わたしの父も仕事より家庭というタイプで、休みの日にはよく遊んでもらいました。スキーが得意で、家族旅行へも度々出かけました。そういえば父はお料理がとても上手で、いろんなものに挑戦していました。定年後、急にパン作りにハマって、新作を作ってはよく持たせてくれていたこともあります。確かに父はあまり出世しなかったから、さっきの記事の見出しも間違いじゃないかもしれませんが(笑)、それでもわたしにとっては、「仕事をして家庭を守り、子供を育てる」という立派な責任を果たした、世界一カッコイイ父親です。


わたしは父や母のようにはなれないけれど、今の状況を活かしたスマートなやり方を考えることならできます。
自分が家庭を持ってみて感じるのは、家庭運営のためのタスクを細分化して、得意な方がそれをやる、アウトソースできるものはする、モノで解決できるものならそれを導入する、など効率化して、そこからできた余暇は家族で楽しむ、というのが現代ではベターなやり方なのでは、ということ。
現代はアウトソースの費用もぐっと下がっていますし、自動で掃除機をかけてくれる夢の様なロボットが一般家庭でも手に入る価格で売られている時代なのですから!


叩かれているようですが、元記事の以下(※太字著者)

今は、仕事を休んで育児をする「イクメン」と呼ばれる男たちも登場してきたようだが、愛情があって育児を助けたいという気持ちはわからないではない。仕事も育児も大変な労力が必要で、役割分担としてどちらかが主に家庭を守るのは仕方がないという気がする。生活を安定させるために仕事で稼ぐには、サラリーマンであれば、会社で評価されないと子供の教育もままならず、家族も幸せにはなれないだろう。今の時代、女性も総合職としてばりばり働く時代だから、男女の立場が逆になってもかまわないと思う。お互いが、補い合えばいい。


「イクメン、弁当男子」は、なぜ出世できないかhttp://president.jp/articles/-/8136

「生活を安定させるために仕事で稼ぐ」ための要素として家庭運営を安定させ、衣食住のメンテナンスを行うためには、男女の役割をパッキリ分ける方が、昔は効率的だったのだろうと思います。
一方、様々な環境の変化や進歩で、女性も外で働くことが重労働でなくなりつつある現在、男女どちらも外で稼ぐことが当たり前になってきて、不得手な「外で稼ぐ」ことに必死になるあまり、衣食住のメンテナンスができなくなって大怪我をする、わたしみたいな人間も増えてきたんじゃないかな?とも感じます。ちなみに我が家では「仕事が忙しくなった方をもう片方がサポートする」というスタイルで、わたしが切迫してるときには夫が家事をしてくれます。仕事を必死でやろうとすると、家庭のことがおろそかになりがちなのは、男女共通なんじゃないかな。


「会社での評価」=「生活を安定させるだけの収入」を確保する手段であり、それは家族のためである。今までの慣習では男女で役割を分けていたけれども、逆になってもいいから、それはお互いが補い合えばいい、というのは真っ当な意見だと思いました。


ここが見落とされたまま変な方向に話しが転がっていくのはちょっとなーと思ったので、自分の経験もあわせて備忘。ていうかこれ記事タイトルが悪いよねー!