タイトルが仮面ライダーオーズっぽくなったのは無意識です。
早くも4月に入り、花見は自粛せよとかやっぱり東北の酒を飲むために花見しようとかいやそんなの不謹慎だとかあっちもこっちも好き勝手言いやがってな感じですが、所感もろもろあり備忘。
その後の東京
- 繁華街の照明が控えめになったので夜はだいぶ暗い
- 電車の本数が減ったので混雑&駆け込み乗車が増えた印象
- 「強盗ヤバい」みたいな噂だけで実際「通報した」っていう人を見ない
- スーパーの空っぽな棚がさらなるパニックを呼ぶことを目の当たりに
- 「震災ハイ」みたいになってる人が余計なイザコザを起こしてて疲弊
街が暗い、いつもある商品がない、など「通常営業ではない」状態にいると、いろんなことの判断がズレやすいというか、不安が加速して正常な判断がしにくくなるんですね。頭でわかっていても、自分がそのさなかにいると、引きずられそうになることが実感できました。
自粛と不謹慎
このところ、このふたつの言葉をいやというほど耳にしていますが、これって他人に向けて言う言葉じゃなくて、自分の行動を振り返るときにのみ用いるほうがよいのではと思うようになりました。他人を責めたらきりがないし、「じゃあどこからどこまでならいいの」なんて線を引けないのであれば、このことで言い争うのはとても不毛。
お花見を自粛されると困る人がいるように、人それぞれの立場で変わってしまうことに振り回されるよりは、自律するための知識を集めて自分で判断し、「諸事情わかるがこれはどうしても制限できない」と思うならばそれに従えばいいんではないかな?と思います。
自分の行動を制限する理由を他人のせいにするのは、疲れちゃいますしね。
覚えておきたい「被災者の地域における心理的経過」
東京都福祉保健局が発行している「災害時の『こころのケア』の手引き」から引用です。
被災者の地域における心理的経過
1 茫然自失期(災害直後)
・恐怖体験のため無感覚、感情の欠如、茫然自失の状態となります。
・自分や家族・近隣の人々の命や財産を守るために、危険をかえりみず行動的となる人もいます。
2 ハネムーン期
・劇的な災害の体験を共有し、くぐり抜けてきたことで、被災者同士が強い連帯感で結ばれます。援助に希望を託しつつ、がれきや残骸を片づけ助け合います。被災地全体が暖かいムードに包まれます。
3 幻滅期
・災害直後の混乱がおさまり始め、復旧に入る頃
・被災者の忍耐が限界に達し、援助の遅れや行政の失策への不満が噴出します。人々はやり場のない怒りにかられ、けんかなどトラブルも起こりやすくなります。飲酒問題も出現します。
・被災者は自分の生活の再建と個人的な問題の解決に追われるため、地域の連帯感は失われる場合もあります。
4 再建期
・復旧が進み、生活のめどがたち始める頃
・地域づくりに積極的に参加することで、生活の再建への自信が向上します。
フラッシュバックは起こりえますが徐々に回復してゆきます。
・ただし、復興から取り残されたり精神的支えを失った人には、ストレスの多い生活が続きます。
(PDF注意)http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/chusou/video/leaf/files/saigai.pdf
今まさに「2 ハネムーン期」で、「日本人すごい!」「人のつながり暖かい!」という不思議な感覚に包まれているところから、だんだん「3 幻滅期」に移りつつある印象です。
停電や節電による電車の本数制限など「自分たちの便利が損なわれる」ことに対しての不満が「助けあおう」という感情を上回るとき、もう一段階、ぐっと堪えねばいけない時期がくるのではと思います。
個人的にはこの「幻滅期」と夏場の停電・節電が重なってしまうような気がしていて、そのときにまたパニックにならないよう、今のうちから心構えをしておきたいと思っています。(暑いのも寒いのも苦手なので…)
これから幻滅期が長く続いたとき、それを乗り越えるためには「時間はかかるかもしれないが再建期は必ず来る」と思えることが必要です。
また、不満や不安を抱える自分の感情を「こういう心理経過の中にいるのだから仕方がない」と自分で受け入れていかなければならないでしょう。
そのためには自分の状況を客観的に見ておけるようにしたいなっと思います。
あと「東京(日本)は今のままでいいのか」という話
渋谷も新宿も暗くて、電車の本数も少ないとはいえ、自宅が基本薄暗い我がひきこもり夫婦はあまり影響をうけていないのですが、ずっとこのままでいいの?というと100%このままでいいとも思えません。
「トム・ヨークが東日本大震災に関するメッセージを発表」
http://oops-music.com/info/view_news.html?nid=65488
<引用>
東京の友人から、東京でも大幅な電力削減が行われたり、街自体は機能してはいるものの、様々な見直しが行われている、と聞きました。光とエネルギー溢れる東京の姿は、今はもう違ったものになっている、と。原発の放射能問題も心配だけども、そもそもあれだけハイペースでエネルギッシュな場所が、こんな風に打ちのめされた、ということ自体に僕は衝撃を受けています。
<引用ここまで>
海外のアーティストが見たときに、「光とエネルギー溢れ」「ハイペースでエネルギッシュな場所」である『東京』というのは、日本の首都ならではの文化なのかもしれないと感じました。であれば、ゼロか100か、ではなく「これからの東京(日本)を、我々でどう作っていくべきか」を考え、身近な人と語り合う機会として、冷静に受け止めていきたいと思っています。
このへんはまた改めて。