読みました。
無償も有償も内定者インターンも一通り受け入れしたことあるので、複雑な思いで読みました。いろんな話がごっちゃに入っていて、いくつかの問題に分解できそうですが、いったんここでは「インターンシップ」の定義について。
今回のことで個人的にこの定義が揺らいだのですが、「インターンシップ」って学生の「就業体験」ですよね?学校側からの要請などをうけた企業側は学生を受け入れて、仕事を体験する機会を与える。学生はその体験を通じて、就職したい企業選びの参考にしたり、自分のキャリアプランを考える。就業体験とはいえ、ある程度の労働をしてもらう場合は、どんな形であれ給与を支払う必要がある。
会社、というのは営利団体なので、利益や成果を追求するのも重要なのですが、同時に果たすべき義務・責任があると思っています。そのひとつがインターンシップの受け入れであり、学生がこれからの自分について考える機会を与えるのは、企業が社会に貢献できる役割だと思うんですね。
なので、わたしはこれが「インターンシップ制度」だと思っていたんですが、どうやら「見習い」とか「アシスタント」みたいな意味で使っている人もいるように感じました。そうすると、双方の認識がズレてしまう可能性があるんじゃないかな。本件も、そんな印象を受けました。
あと有償/無償の違いは「やる気」じゃなくて「労働」の有無で、「やる気があるやつは無償インターンに来い」というのは、ちょっと筋が違うと思っています。それはもう「インターンシップ」じゃないですね。認識のズレが原因でよくない結果に陥ると、誰も幸せにならないので、このタイミングで表現の見直しがなされるといいな、と思いました。(でもなんて呼べばいいんだろう。丁稚奉公?)
このへんとか、ご参考までに。
一般に、インターンシップにおいての実習が、見学や体験的なものであり使用者から業務に係る指揮命令を受けていると解されないなど使用従属関係が認められない場合には、労働基準法第9条に規定される労働者に該当しないものであるが、直接生産活動に従事するなど当該作業による利益・効果が当該事業場に帰属し、かつ、事業場と学生の間に使用従属関係が認められる場合には、当該学生は労働者に該当するものと考えられる(旧労働省平成9年9月18日基発第636号)
http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/intern/guidebook-katsuyo.pdf
あと、「アウトプット」「成果」にこだわるなら、成果の評価基準と、それが達成されなかったときの取り決めも、予め双方で合意をとっておく必要があったのではないかと思いました。例えばですが、「400文字以上・写真◯点以上を用い、◯◯に関して書いた記事を、毎週水曜日の15時に、1本以上公開すること。記事は必ず◯◯さんの承認を得た上で公開することを条件とする。水曜日の15時を過ぎても記事が公開できていなかったら、その時点で打ち切り」ぐらい、具体的にしておくとか。
受け入れ(雇入れ)時にその説明をしておけば、お互いに齟齬が少ないし、打ち切る基準も明快になって、後味も悪くなりにくい。とくにこういう「メディア運営してて楽しそう」みたいな会社には「輪の中に入ること」が目的化しちゃってる人が多く来そうなので、事前の前提共有をしっかりしておくのが良さそうだなと思いました。
このへんは他にもありますが、いったんここまで。
今日はそんな感じです。
チャオ!