先週の話になってしまうのですが、タイトル。行ってきました。3日間連続。
初日
初日については嬉しいことにKAI-YOUさんでレポートを書かせてもらえたので、こちらを!写真もたくさんあるよ!
2日目
この日は豊田道倫セレクション。
豊田道倫とカンパニー松尾の20年、と題された企画で、豊田道倫さんのツアーに同行した「ロックンロールファッカーズ」、20年間追い続けた映像をまとめた「豊田道倫 映像集まとめ1996-2015」、そして最後に豊田道倫さんご本人が弾き語りで登場されるライブ、というプログラム。
恥ずかしながら豊田道倫さんという人を今回初めて知ったのですが、言葉は平坦で語り口調にも近く、クセのある表現で、わたしが今まであまり触れてこなかったタイプの音楽。楽しめるか不安でしたが、最後のミニライブを最前列で観たときに、その「良さ」がストンと身体の中に入って落ちた感じがありました。
なんというか「手紙を書くように歌う人」だなという印象。静かにずっと追いかけていたいと思う気持ちが理解できたように思います。エンドクレジットに並ぶ豊田道倫さんとカンパニー松尾監督のお名前が、バンドのメンバー紹介みたいだなと思いました。
今回上映された映像集はパッケージ化される予定がないそうで、定期的に上映会を開き、そこでお披露目されていくようです。次回あったら、また観たいな、と思いました。
豊田道倫 CDデビュー20周年記念CM(カンパニー松尾ヴァージョン)
3日目
ドキュメンタリー監督である岩淵弘樹監督セレクション。「遭難フリーター」「サンタクロースをつかまえて」「モッシュピット(仮)〜プロローグ」の3本。
「遭難フリーター」は、岩淵監督自身を撮影したもの。カメラ工場の契約社員として働き、寮費や奨学金の返済で少ない手取りは消えていき、週末は東京に出てきてまた日雇いのアルバイトをする。メディアには社会問題の被害者として祭り上げられ、お金もなく、将来への不安だけがふくらんでいく。
重いテーマではあるんだけれども、岩淵監督自身はどこまで行っても素直に「なんでだ?」「俺は誰の奴隷なんだ?」「俺たちみたいな生き方を『負け犬』というのなら、俺は誰に負けたんだ?」と疑問を持って映像を撮り続けていて、被害者ぶるわけでもなく、エディングはなんとも言えない爽快感がありました。
すごく面白かった!!!
2作目、「サンタクロースをつかまえて」は東日本大震災後の仙台のクリスマスを撮影したもの。被災地のクリスマス、というのを聞いて重すぎたり感動させようとしていたりしたら嫌だな、とちょっと身構えてしまったのですが、そんなことはなく。やはりここでも岩淵監督は「なんでだ?」「なんでクリスマスをやるんだ?」「家族とか、普通とか、幸せってなんだ?」という疑問を素直に表し、様々な人に話を聞き、映像に収めていきます。
日常とか人間の強さ、重ねていくことの力、みたいなものがひしひしと伝わってきて、この前に観ていた「遭難フリーター」で実家の母親に「ここには何もない、東京に行きたい」と言っていた岩淵監督が、この作品では逆に日常の強さみたいなものに触れていく感じがなぜかグッと来てしまい、エンディング、津波で流されたLED照明をもう一度準備しなおして行われたイルミネーション点灯の様子でボロボロと泣いてしまいました。
無理にいい話へ結論付けようとしていないし、ただひとつの視点として仙台の日常を生きる人たちの姿を見つめることでこんなに心が震えるのだなあと感じて、やっぱりドキュメンタリーって面白いな、と思ったのでした。
予告編にも入っているのですが、職場が津波に流されてしまったお母さんが、会社に戻れるのか、仕事に戻れるのかという不安を抱えているところに会社から「一刻もはやく復旧して業務を再開しなければいけません」という連絡を受けて「うれしいー!」と喜ぶシーン。ここにもやたらグッと来てしまった。
最後の一本は「モッシュピット(仮)〜プロローグ」。
2度めの鑑賞になったわけですが、最初は流れを追うのに必死だったせいか気づかなかったことが多く、「あれっこの人こんないいこと言ってたのか」とか「この人ってこういう表情するんだ」という発見がたくさんあって、2度観ることにしてよかった!と思いました。
とくに初回は「ハバナイ浅見さんかっこいいな〜やっぱりこの人はすごいな〜」という印象だったのが、2度目は「NDGのセキさん、男気がすごい……!かっこいい……!」に代わり、「この人達のことをもっと知りたい!」となり、本編で彼らがどう描かれているのか、ワクワクです。5月上映を目指して編集されているそうなので、本当に楽しみ!!11月のこのリリパの様子もたっぷり収められているだろうと期待しています。
この「モッシュピット」で描かれた「東京アンダーグラウンド」シーンは、まさに今「はじまり」のシーズンの「終わり」が始まったんだろうな、と感じます。
コアになるファンの人たちの熱狂に触れることで、わたしのような「彼らのバンド名だけは聞いたことがある」「イベントで見たことがある」レベルの人たちが彼らに興味を持ち、発する熱がまたさらに「今まで知らなかったけど、好きかも」という人たちに波及しはじめることでシーンの次のシーズンが始まるんだろうと思うのですが、その予感とか、息吹、みたいなものは、本当にドキドキします。そんなドキドキするタイミングで彼らを知ることができたのは本当にラッキーな事だと思うので、このドキドキを存分に味わっていこうと思ったのでした。
ということで、良い映像や音楽に触れて、たくさん刺激を受けた三日間となりました。岩淵弘樹監督のファンになったので、他の作品も観てみようと思います。
いやー、本当に楽しかった!イベント全体を通してみると、映画の上映があり、トークタイムがあり、監督たちも普通にロビーをうろうろして物販したり受付整理してるし、お手製カレーの販売があってみんながロビーで食べているし、館内にはビールなどアルコールも持ち込みOKで、和やかで、ワイワイしていて、なんだか文化祭みたいでした。次回もまたあるのかな。あるといいな。楽しみにしています。
今日はそんな感じです。
チャオ!