めちゃくちゃ面白かった!です!
2015年はやたらと「音頭」を耳にした夏でした。 そもそもお盆シーズンだし耳にする機会は多い時期だとも思うんですが、自分の意識がそっちに向いた、という意味では、初めての夏。
何より印象的だったのは、遊びに行ったイベントでDJフクタケさんのDJを聴いていたとき、やたらと感情が昂って、理由もなく泣きそうになったこと。最初は「こんな音頭もあるんだね〜笑」という感じだったのが、ずっと聴き続けていると、なんというか、こう、懐かしいような、忘れてた奥深くの思い出を突きつけられているような、感情の奥底をがっちり掴んで揺さぶられたような気持ちになって、自分でも驚きました。
同時に、その場にいる全員、出身もルーツもバラバラな人たちがなんとなく共同体のように同じ思い出を共有できているような錯覚があって、音頭、やばい!なんだこれは!と思ったのが最初。
そこからカラーバス効果なのかなんなのか、やたらと音頭にまつわる情報を目にするようになって、プロジェクトFUKUSHIMA!のDOMMUNE中継を見た翌日に下北沢のお祭りに遭遇してシモキタ音頭のレクチャータイムに居合わせたり、なんとなく気になることが続いていたところへNHK「バナナゼロミュージック」 でも「音頭」特集を観てしまったので、これはもうちゃんと調べるしかない、と思っていたところに出会ってしまったのがこの「ニッポン大音頭時代」。渡りに船。魚心あれば水心(?)とはまさにこのこと。素晴らしい一冊でした。
目次を抜き出すと
第一章 音頭はどこからやってきた?
第二章 音頭のスタイルを確立した「東京音頭」
第三章 炭鉱労働者たちが愛した「炭坑節」
第四章 <国民音楽>として収奪された音頭
第五章 冗談音楽として新展開をむかえる音頭
第六章 変わりゆく地域共同体とアニソン音頭
第七章 アイドル音頭によって多様化する音頭
第八章 音頭は海を越え、世界を躍らせる
第九章 未来の音頭のかたち
という感じで、時代の流れに沿って整理してあり、しかもそれぞれ「なんとなく耳にしたことがある、なんとなく知ってる」みたいな内容が丁寧に解説してあるので、もう、「そうだったのかー!」という驚きと感動の連続でした。
地域共同体の娯楽としての音頭があり、それが解体されつつある時代に再度、「故郷なき都会人のための郷土の歌」として「東京音頭」がうまれたというくだりであったり、炭鉱でのコミュニティソングとしての「炭坑節」という存在、クレイジーキャッツ、ドリフターズのようなスターバンドが「テレビ」というメディアと共に「音頭」をどう変えてきたか、そしてその現在と未来、みたいな、大きな流れがものすごく分かりやすく解説されています。経済が不安定でこれから先どうなるかわからないという閉塞感のあるときほど、狂乱の音楽、音頭でひたすら踊って無心になりたい心境になる、というのも、めちゃくちゃ腑に落ちました。わたしが今まさにそんな気分だから、音頭に惹かれてるのだろうと思います。
などなど、理屈や歴史など好奇心が満たされるおもしろさもあるのですが、何よりこの本を読みながら、YouTubeで出てくる音頭をちょこちょこ検索して聴いてみてたんですが、なんかもう、聴いてるだけで、よくわかんないけど楽しくなってくるんですよ!
日本人のDNAが〜とか言う気はないんですが、自分の思い出の奥深くに「音頭=楽しい」みたいな刷り込みがガッチリされてるのを実感しました。音頭を聴いてアハハって笑いながら読んでるの、超楽しかったです!
ということで、本文に登場するものの中からいくつかYouTube貼っときますね。
東京音頭
小唄勝太郎(Katsutaro);東京音頭(Tokyo Ondo) - YouTube
これめちゃくちゃ良かったです。声がすごくいい!
炭坑節
炭坑節【赤坂小梅】歌詞付:歌だより Ver.CD 01-01 - YouTube
月が出た出た/月が出た、でお馴染みのアレです。東京音頭よりどっしりした歌声がパワフルで艶っぽい。
東京五輪音頭
本書を読んで三波春夫めっちゃファンになりました!
スーダラ節
改めて聴いてみると思った以上にカッコよくてびっくりしました。あと文中に出てきた「植木等の<親不孝声>」っていう表現がしっくりきすぎて、つい爆笑してしまった。
のってる音頭
のってる音頭 Notteru Ondo (full ver.) - YouTube
これわたし今回初めて知ったんですけど、めちゃくちゃカッコよくて驚きました!なんだよこれすごい!
電線音頭
クレイジーですね。
疲れたのでこのへんでおしまい。
後半に行くにつれ、なんかこうヤケクソ的にテンションがどんどん高まるのが面白いです。聴いてみると「ドドンガドン」のリズムに抗えないテンションの高まりみたいなのを感じてもらえるのではないかと思います。
ということで今日はずっと音頭を聴いてたので、なんだか無駄に気分がハッピーになって、いい週末を過ごせそうです。なんかこう聴いてるといろんなことがバカバカしくなってきてワハハってなれるのは素晴らしくて、気分が落ち込んだときの特効薬みたい。しかも即効性が高い。ぜひおためしください。
今日はそんな感じです。
チャオ!
ヤバ歌謡3 NONSTOP DJ MIX ?音頭編 - Mixed by DJフクタケ
- アーティスト: V.A.
- 出版社/メーカー: Universal Music =music=
- 発売日: 2015/07/08
- メディア: CD
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