また酒ネタですいません。今回は漫画です。
みんな大好き「孤独のグルメ」「食の軍師」の久住昌之と、「喰いしん坊!」の土山しげるのタッグと聞いて読まないわけにいかなかった「荒野のグルメ」。
最高すぎて最高でした。
48歳のサラリーマン東森良介が、自宅最寄り駅・ひとつ手前で降りて立ち寄った小料理屋を気に入って常連になり、そこで毎回たいした事件もなく描かれる1話完結のお話なんですが、良かった!
奥に小上がりの座敷はあるもののカウンター中心のお店で、女将との距離が近い(夜食のおにぎりを焼いて出してもらったりしてる)他の常連さんとの距離も近いし、古きよき「慣れ合い」のお店が舞台です。読むにおそらく女将さん1人で営業してるっぽい。お客さんがいないからって早じまいしようとしてたところに滑り込んだり、料理をリクエストして作ってもらったり、臨機応変に対応していて、そこに甘える主人公との関係のぬるさが、中年っていいなあ、としんみり思わせます。
こういうカッコつける要素がなくて、だるーっと力が抜けてる感じは久住昌之全開、という感じがして良かったです。なんか自分の父親を見て「もう!」って思う気分と似てる。でも中年のおじさんにだっていろんな事情があり、疲れちゃう日もあり、家族以外の誰かに甘やかされたい夜もあるんだろうなあと許せてしまえる漫画でした。お客さんもお店も、誰もガツガツしてないし、カッコつけてないし、よくも悪くも、油断している。疲れる要素がひとつもなくて、こういうお店、やりたいですね。
本作では料理より「酒」がメインです。カツオのタタキ+日本酒、国技館の焼き鳥+ビール、ゴーヤ炒め+ハイボール、焼きおにぎり+日本茶割り、というように、「何を食べるか」というより「この食べ物にはこの酒でしょう!」というこだわりがいちいち細かく描かれていて、お酒好きとしてはついニヤニヤしてしまいました。とてもおすすめです。
「○○のグルメ」はシリーズ化するのかな?食が好きでお酒がダメな井之頭五郎が主人公の「孤独のグルメ」、定年退職した香住武が主人公の「漫画版 野武士のグルメ」ときて今回、中年サラリーマンが主人公「荒野のグルメ」だったので、次はどんな作品が来るかこれからも楽しみですね。
関連して、土山しげるを知ったのが恥ずかしながら最近で、一気に10巻ほど「喰いしん坊!」を読んだんですが、なんかもう日本の漫画めちゃくちゃおもしろいなー!と思いました。独特の空気というか、「喰いしん坊!」は大食いの話なんですが、もういちいち大げさだしでも本人は大真面目、みたいなギャップについ笑ってしまう。読んでるとお腹がすいてきます!
ということでサイボウズ式で連載中の「マンガから学ぶチームワーク」が今回「なぜ日本人はひとりめしマンガにハマるのか? 孤独のグルメ・忘却のサチコから紐解く「癒やし」と「救い」」だったので、つい思い出してしまったのでした。
確かに「ひとりめし」マンガのジャンルってずいぶん確立されてきましたが、「ひとり酒」モノってまだ少ないのかな?ワカコ酒もドラマ化しましたし、個人的にはうんちくものより登場人物がお酒飲んで楽しい〜!みたいなのが好きなので、おすすめあったらぜひ知りたいです。
あと土山しげるの「居酒屋舌偵」もやばくて、おすすめです。被害者の衣服についた染みを舐めて「これは駅前の食堂のカレーうどんのツユ!」って当てるとか頭おかしすぎて最高。
今日はそんな感じです。
チャオ!
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