インターネットの備忘録

インターネット大好きな会社員がまじめにつける備忘録です。

「真面目」が一番コスパが良い

交渉とか駆け引きとか、あるじゃないですか。やるの好きな人も多いし、やれるようになりたがる人もけっこう多い。ナントカの交渉術みたいなの。

わたしもセールスやってたとき「無理な交渉を仕掛けられたら、電話をわざと長めに保留することで社内検討している感を演出する」みたいないま思うとよくわかんないノウハウを教わったりしたんですけど、その後そういうスタイルからは手を引いたとはいえ、いろんな人と仕事してると「よくもまあそんな条件出せますね」みたいな、ワ~信じられない!恥知らずってこれかー!みたいな交渉をしてくる人に当たります。

で、まだ20代の新人さん相手とかなら分かんないですけど、こちとらもう十何年も仕事してるわけで、海千山千なわけですよ、だいたいの会社の利益構造とか社外から取得できる情報レベルでもおおよそは判断できるんだから、要件に関して実現可能ラインと不可能ラインだって大きくはずさないレベルでイメージできるし、そんなの100回以上言われたわいちいち怯むかアホみたいな無理な依頼とかこっちの足元見たふっかけとかされると、何かもう本当にそういう人たちのやり方って怖いな〜って思います。いつか自分の首をしめるだけだと思うんですよね、そういうやり方。

 

良い交渉、良くない交渉、両方あると思いますが、まず良くない交渉というのは「度を越した得をしようと、無理な理屈を通すこと」、これに「自分の立場の方が高い(発注元であったり、取引関係的に力が強いケース)」という状況が組み合わさるともう本当に最悪です。
もちろんビジネスだし慈善事業じゃないので、きちんと利益を確保したり必要以上のコストを見直すのは必要なんですが、なにごとにも適正な範囲、というものがあるわけで。

よくあるのが「駆け出しだったり仕事を欲しがっている相手の足元を見て市場価格から大きく下げた金額で請けさせようとする」ってやつですが、本当にそのやり方、賢いと思ってますか?本来、30万円までなら予算を割り振れる依頼を、相手の足元を見て10万で発注し「わーい20万円のコストカット」と喜べたとして、それで本当に「30万円かけて作ろうとした成果物」が手に入ると思ってますか?よしんば手に入ったとしても、「本来なら30万円で請けられた仕事を10万円でやらされた」相手がどう思うか、その相手との今後の関係性がどうなるか、想像したことありますか?使い捨てだから、どうでもいいですか?

そんなやり方をするよりも、最初から正直に予算を伝えて、その範囲でどういうやり方があるかを一緒に考えられる相手を探し、正当な対価を支払い、何の後ろめたさもなく、次の仕事も一緒にやりたい!やりましょう!と思える終わり方をするほうがよっぽどいいと思うんですね。また新たにビジネスのパートナーを探すのにだって、時間コストがかかるわけで。

 

これは「仕事は誠実であるべき」とか「まごころを込めた仕事をしましょう」とかそういう気持ちの問題ではなくて、そういうやり方のほうが、一番コスパがいいんですよ。

要らない交渉術を繰り出して相手との関係がこじれたり、その噂が業界内に蔓延して仕事がしにくくなったり、仕上がってきた成果物が予想を大きく下回っていてでも支払う額が少ないから自分が残作業を巻き取って泣くハメになったり、納期に間に合わなくなったり、シンプルでない仕事の仕方は、必ず面倒を招きます。
もちろん、そういう面倒ごとも事前に予測できて、うんと手前から理論構築をして絶対に破綻しないよう交渉できて、きっちり要件通りの成果物を出させることができる人は存在します。しますが、そういう人たちは理論構築から欲しいものの要件定義からすでにレベルが違うので、下手に真似しないほうがいい。

 

ということで、トリッキーなことをしようとせずに正直に、交渉や節約は自分の度量の範囲内でやるしかなくて、でもそれが結局は一番「コスパがいい仕事の仕方」になるんじゃないっていう話でした。

 

めんどくさいのよくない!

今日はそんな感じです。
チャオ!