インターネットの備忘録

インターネット大好きな会社員がまじめにつける備忘録です。

ホドロフスキーに感じたベンチャーっぽさ

見てきました。
おもしろかった!!!!!
 

ざっくり

ホドロフスキーさんは映画監督っていうそれ以外にも色々やってる人でなんていうか、芸術家というか表現者です。
 
お芝居から映画の世界に転身してカルトムービーを発表し注目を集めた後、ミシェル・セドゥーさんというプロデューサーとフランク・ハーバートさんのSF小説『DUNE』を映画化する企画をスタート。 ギーガーとかメビウスとかピンクフロイドとかダリ(!)とかオーソンウェルズとか、意味わからんくらい豪華なブッキングを次々果たし息子まで駆り出してさあこれからというときに追加の資金が調達できず頓挫。
 
その後DUNEはデヴィッドリンチの手により映画化されますが大失敗、そしてホドロフスキーさんのアイデアや見出した人たちは現代のSF映画に多大な影響を与えていて…みたいな感じのことを本人のインタビューを織り交ぜつつ描くドキュメンタリー映画です。
 

狂気を帯びた情熱が人を惹きつける

なにしろホドロフスキーさん本人がめちゃくちゃ面白い。
ものすごい情熱とありあまる愛とウィットで才能ある人たちを次々口説いてその気にさせて、最終的には頓挫したのにも関わらずみんなが口を揃えて「あんな素晴らしい作品はなかった」と言えるのは、それだけホドロフスキーさんがメンバーに対し作ろうとしている作品の意義や意味をしっかり伝え続けたんだろうなと思います。
 
誰も言われたからやってた、という感じがしない。自分もその作品のもたらす影響や意義、それに関わるんだという誇りと自分の表現に自信を持っていて、いまも失われていないのはグッときました。
 
これは世界を変える作品だ、人々の意識を変容させる預言書になるんだ!と言われて信じられる人はそういないと思うんですが、ホドロフスキーさん自身によって語られると「そうかも!」と思えてしまうのは、それだけ本人が強くそう信じているから。
 
これ、勢いのあるベンチャー企業の人たちにも共通すると思っていて、やっぱり本気で世界を変えるぜ、俺たちがやるんだぜ、と思ってないと、会社のメンバーも投資家も、誰も共鳴してついてきてくれないんですよね。
 
俺にしかこれはできない、俺がやろうとしていることは世界の、人々のためになることなんだ!と思って信じて突き進めるのは、ベンチャースピリットに共通するものがあるなと感じました。
 
 

思い込み渇望する人が世界を変える

映画製作もベンチャー企業も自分のビジョンを今までにない形で実現しようとするのは同じで、そこには孤独と恐怖と困難があります。
それを乗り越えて成し遂げようとできるのはただひたすらに「これを世界に届けたいんだ」という渇望と、それが本当に世界のためになるんだという思い込みです。
 
ここで思い込めなくて「まあこんなんで世界なんて変えられないよ」とシニカルになると、最後マジで踏ん張れないと思うんですよね。
そういう、情熱を持続させてくれるのは結局自分の思い込みに頼るしかないみたいな狂いっぷりもとても良くて、本当におもしろかったです。
 
行動したから何かが変わるとは限らないですけど、そもそも行動してみないと何かを変えるきっかけも起こせないわけで。
そして、失敗も一つの選択であると受け止めて、ホドロフスキーさんはその後も表現活動を続けて今に至り「リアリティのダンス」という新作を発表するわけです。
なにそれ超かっこいい。
 
御年85歳。マジかよ。
わたしとかまだまだじゃん!と思える素晴らしい作品でした!絶対みるべき!
 
 
今日はそんな感じです!
チャオ!

 

 

 

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