インターネットの備忘録

インターネット大好きな会社員がまじめにつける備忘録です。

「自由」と「無責任」は違うって何度でも言うよ

「フリーランス」というキーワードでここ数日いくつか記事を目にしたのですが、とりあえず色々言いたいことはあれど、本当に勘違いされたくないことがただ一つ、「フリーランスになる」=「好き勝手に生きられる」ではない!

独立して1年を過ぎた頃大きな案件が入った。
それまでは小規模な仕事しか請けてなかったが、とある代理店から3桁を超える中規模案件の獲得に成功した。
これが終わりの始まりだった。
まず大規模な案件を回すには金がいる。資金繰りってやつだ。
銀行に相談して300万ほど資金を調達した。
案件が進むにつれ増えて行く修正と言う名の追加構築。
次々に変更される原稿。
来たれど来たれど金を請求できない日々。
300万の資金は外注への支払いで底を付いた。
他の細かな案件で何とか食いつなぐ事にした俺は、1人では到底できない量の仕事を大量に請けた。
今思えば本当に馬鹿だったと思う。
無論1人当りのキャパを完全に超えた量の仕事を請けた俺は連日徹夜で作業を続けた。


フリーランスという働き方を辞める事にした。
http://anond.hatelabo.jp/20130123112258


これとかもそうなんですけど、「○○だから××だった」というふうに、しでかした失敗の原因を何か他者のせいにした瞬間、思考停止して結局繰り返すパターンがよくありますからね。
大規模な受注があった→外注も使って進行する必要があった→銀行から融資を受けた→うまくいかなくなって飛んだ。これ、ハッキリ言って会社勤めでも超ありえることで、わたしにも似たような経験がありますけれども、そもそもそんな大掛かりな仕事になりそうだと分かった瞬間に着手金をもらったり前金を半額なりもらうとか、せめてその月の月次納品した分まではなんとか検収もらって請求上げるとか、自分が負債を抱えずに外注を回す努力はいくらでもできるはずなんです。
ここで「俺は借入してまで仕事を仕上げようとしたんだ!」と言うのはカッコよく見えるかもしれませんが、最終的に未回収になってしまったら外注さんにも迷惑かけることになるわけで、自分も飛ばず、関わる人になるべくしわ寄せがいかないようにやれないなら、フリーランスの立場でその規模の仕事を受ける度量がなかったということだと思うので、謹んでお断りすべき事案だったのです。
それはこれを書かれたご本人もよくお分かりだとは思うのですが、だからといってフリーランスがダメだ、という結論を出すのは大間違いで、会社員でもフリーランスでもそういう仕事の仕方自体をしたらダメなんですよ!


#(追記:本当に言及したいエントリをTBしたくなさの余り明示しなかったのですが、そうすると怒っている理由が伝わりにくいよというアドバイスを頂いたので、書きます、ここからは「フリーランスのメリットは「採算度外視」で動けること」を受けて。)
これと同様に、会社勤めだから採算度外視の仕事が出来ないとか、会社勤めだから心底楽しい仕事が出来ないとか、何かっていうと会社のせいにして「だから、フリーランスは良いぞ!」って結論に持ってくのは、「ボクちん無能でーす☆彡」って公言してるのと同じことです。

やれる人は会社勤めでもフリーランスでもやりたいことやるし、採算度外視の仕事もきっちりカタチにしてるじゃないですか。いい仕事をする人って、そういう人のことなんじゃないですかね。周りに優秀な人、いないんですか?うわあカッコイイ、ああいうふうにやりたいことをしっかり儲けながら実現させたい、って思える大人を知らないんですか?そういうの、井の中の蛙っていうんですよ?


「儲けを考えない仕事が尊い」と思ってるなら、一生そのままでいてください。そしてそのまま朽ちて死んでください。儲けを出すことは家族や会社や社会を潤わせるために必要で大切なことで、儲けたい、利益を出したいと思うから、プロは自分の経験や知識を総動員して工夫をするんです。
それから逃げてる時点で、自分がやってることは学生の自己満足なボランティアに過ぎないんだってことを早く思い知って欲しいですね!