インターネットの備忘録

インターネット大好きな会社員がまじめにつける備忘録です。

mixi回帰とファストコミュニケーション

SNSといえば基本はFacebook、ビジネス関連でのつながりをプールしておきたいならLinkedInか、プロジェクトとして動いているならサイボウズLive、のような感じで、数多くあるSNSを「なんとなく」使い分けて来ているような気がするのですが、ここへきて急にmixiへの回帰が(わたしの周辺で局地的に)起きている印象です。


Facebookはオープンすぎるし情報がどんどん流れていく、LinkedInにくだけた話や愚痴は書きにくい、サイボウズLiveだとある程度は話題の方向性が決まっているので日々の些細な事を書くのはためらわれる、というのが個人的な印象なのですが、そこへきてmixi


久しぶりにログインしてみるとかなりUIが変わっていて、○○さんが×日の何時何分に来ましたよ、という非常にウェットだった「あしあと」機能がなくなり、「先週の訪問者」というゆるやかな訪問履歴に変更されていた点に驚きました。


「あしあと」機能がなくなり、ガチガチに監視されているような雰囲気が薄まったことで、この「何でもいいから、自分の書きたいことを書く」という自由さと、「知ってる人にだけそれを見せる許可を出せる」という制限のバランスが新鮮に感じました。

わたし自身は2004年からmixiを始めて、SNSのサービスディレクターとして仕事をしたこともあり一時期どっぷりハマったのですが、ここ数年はめったに覗いていませんでした。mixi独特の、馴れ合いやお世辞の応酬みたいなものに食傷気味でしたし、「あしあと」で自分の行動が監視されている感じがするのも嫌でした。
とはいえ、ドライでオープンなFacebookでは自己承認欲は満たされないし、Twitterは「人」ではなく「発言」がコンテンツになって、また少し違う気がしていました。
今回、久しぶりにサービスを使ってみて、この「個人に密着していてコミュニケーションがウェットだけれども、そのぶんゆるい」感じに、友人たちがmixi回帰を始めている理由が分かった気がします。


友人をグループごとに分けてさらに「仲良し」設定が出来たりという「友人でも区別(差別)する」感覚は、うっかりヘタなことを書くと炎上しやすいSNSで気を使って疲れていた人たちにフィットしたのかもしれません。
ものすごいスピードで消費されていくコミュニケーションに飽きた、とも言えるのかもしれませんが、それぞれのプラットフォーム上にそれぞれのネットワークが出来ているので、簡単に止めるのも抵抗感がありますしね。


一方で、こんな発言を見つけました。

なるほどとも思ったのですが、一方で現実世界の「ご近所さん」である親や親戚・同級生、町内の人たちは自分で選ぶことが出来ないけれど、SNS内であれば「この人ならいいよ」という選別が出来るのですよね。
ご近所さんの良さは「前提がだいたい共有できている」気楽さで、10全部を説明しなくても相手が背景を共有してくれて「こういう経緯でこの発言をしているのだな」と伝わることでもあります。
その「ご近所さん」的な良さが、mixiにはあるのかもしれません。


数あるSNSの中で最もスピードが早く、コミュニケーションが「消費」されていくサービスとしてTwitterがあると思っていて、mixiはその真逆に向かっているのかもしれないと感じました。
ただ、同じ人間が違うサービスを使っているだけで、仲良しが慣れ合う場所が変わってるだけじゃないのか、とも思ったのですが、環境によって同じ人でも振る舞いが変わってくる、という話もあり、またそれは別のお話としてそのうち。