元は携帯業界だったんです、というと必ず聞かれるのが
「例のフィルタリングってどうなんですか?」という質問。
どうなんですかっていうザックリな質問がどうなんですか?
と言いたいのをぐっとこらえて「ひどいですよね〜」と返すわけですが
なんか騒がれてる論調がきもちわるくてスッキリしないのでまとめ。
▼ 参照
「あまりに急」「検閲では」――携帯フィルタリングに事業者から不満続出
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0801/22/news123.html
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■きもちわるいポイント
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┗ 実施側に対して
→なんか基準がボワッとしている
きっちり分けられるものではないんだけど、
議論を重ねた上での施行、という感じがしない。
やっべーなんか事件起きちゃったし、とりあえずやっとく?的な印象
→責任転嫁してる感じがする
ある超人気サイトで事件がおきた!じゃあそこを規制しちゃえ!
だって目立つんだもんあいつら、みたいな。
よくワイドショーで言われてるけど、包丁を使った殺人事件が起きたら
その包丁の製造元も逮捕されちゃうの?的臭いものには蓋対応。
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┗ 実施される側に対して
→「株主価値がき損した」とDeNA南場社長」
「世界に先駆けて日本で発展している携帯コンテンツ事業に期待して
投資してもらっていたのに」
ちょっとあんた、ウチはまだ稼げたのになにすんの!って感じ。
でもその稼ぎ方も未成年を死ぬほど集めて出会っちゃったりしている場を提供して
叩きだしているPVを代理店に売らせまくっているわけですよね。
もちろん否定しないし枠組みを日本流にうまくマネタイズして作って
これだけ膨らましたのは本当にすごい、できれば真似したい、うらやましい。
でもなんかそれを「日本で発展している携帯コンテンツ事業」と言われると
なんだかとてもモニョモニョしてしまいます。
日本で発展しているのはクオリティがそこそこの無料ゲームで遊んで
集まった暇な人どうしが出会って遊べる場を提供するコンテンツってこと?
見もしない広告をポイントほしさにクリックさせる仕掛けのこと?
なんだかなあ。
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でも
この気持ちは分かる
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「モバゲーはリアルでの出会いを禁止し、問題のある書き込みがないかパトロールするなど、月に数億円をかけてトラブルを防ぎ、ユーザー保護への努力を続けている。それでも『ユーザーが書き込む機能があるから』とアダルトサイトや自殺サイトと同列に『有害』とされる。サービス運営者として屈辱」
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サービス運営者として、いわゆる「防御」にこれだけのお金をつぎ込むのは
はっきりいってつらいだろう。本当ならそのお金を集客や新機能や
新コンテンツ開発につっこんで、ガンガンPVを膨らませる方に使いたいだろう。
南場社長がおっしゃるように、自殺やアダルトなど劣悪なサイトといっしょくたにされるのは
はらわたが煮えくりかえるほどの屈辱だろうし、がんばってる現場もうかばれない。
だから身を切るような思いで先んじて手を打ってきたDeNAさんや魔法のiらんどさんは
今回のぶった切りは本当に悔しいと思うし、気の毒だと思う。
ただ個人的には10代の若い子たちの可処分時間を奪いあうようなコンテンツを
日本の上場企業が超積極的に作って推進しているのは寂しいし、
使う側にもおもしろいものはお金を払って手に入れるものだ、
っていうことを忘れないでほしい。
コンテンツを作る側として、がんばって作っても無料でないと興味を持ってもらえない、
というのは本当に悲しいことだ。しかもここ最近は、その傾向が顕著にある。
たぶんそれを助長しているのがネットの広告業界なのかもしれないけど、
今回のことで「本当に面白いものにはお金を払うのだ」という流れが
戻ってくることを祈りたい。ユーザにせよ、クライアントにせよ。
もちろん、お金を払ってでも使いたいと思わせるような
コンテンツを作っていかなければいけないのだけど。
でもそれなら前向きな努力だもんね。
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(追記)
ケータイ小説のような、
「今まで発表の場がなかった創作欲求のはけ口を作った」という文化は
とても評価しています。内容はどうあれ。
ものを作りたい!表現してみたい!という10代の欲求が開花したから、
ケータイ小説のトレンドがあれだけ光を放っているのではないかしら。
まあ、何十年も前から、自分の創作したものを発表したい!って人たちは
同人誌なりでしてきているわけだけれども、ハードルを下げた、っていう意味でね。