インターネットの備忘録

インターネット大好きな会社員がまじめにつける備忘録です。

フリーランスしくじりあるある #新卒フリーランスがんばれ

そろそろこれの今年版を書こうかなと思っていたのですが、どうやら最近は、新卒から就職せず、そのままフリーランスになる人が多いそうですね。

名ばかりフリーランスで実態はフリーター、ということにならないよう祈るばかりですが、失敗は若者の特権。挑戦も失敗もじゃんじゃんやれば良いとはいえ、生活に困窮したり10年後困ったりしないよう、我々のようなジジイとババアに何ができるかを考えてみたところ、落ちなくていい落とし穴に落ちないよう、こういう穴があったよ、というのを伝えていくのはどうかね?という話になったので、書いてみます。

フリーランスのわたしと、現役フリーランスの友人たちと「あるある」「思い出すと殺意が〜〜〜」をメッセしていたら、思ったよりたくさんあって、面白かった。振り返りって大事ですね。当分は酒の肴に困らなさそうです。

税金や保険の処理をおろそかにする

これ、わたしもやりました……。恥ずかしい……。

会社員時代には給与から天引きされていて、さあ退職後に切り替えようと思って健康保険と年金までは覚えていたんですが、ウッカリしていたのが住民税!

いまだに思い出すと「なんで忘れてたんや……」と頭を抱えます。お恥ずかしい話ですが、納付書が来て初めて「あっ!!!」となり、パニックになって、これどうしたらいいんでしたっけ、と区役所まで聞きにいきました。親切に教えてもらって感謝しきりです。分からなかったらすぐ聞きに行こう!

税金、主に年金なんてメリットがないから払わない!と息巻く人もたまに見かけますが、日本国内でルールに従って生きていくなら、不満があっても払いましょう。苦しかった期間は未納付で、あとから分納させてもらった、という話も、たまに聞きます。

 

目先の費用しか確保せず病気や冠婚葬祭で詰む

フリーランスで月に50万とか60万とかぽーんと入って、わーい機材投資だ〜とか取材旅行だ〜とか設備拡張だ〜とか言って毎月5〜10万程度だけ手元に残して運用して、徐々にプール金を増やしていけばいいやと思っていた矢先。
親が死んだから葬式を出さねば、親戚が死んだから実家に飛行機で帰らねば、友達からハワイ挙式するから来てという招待状が届いたので行かねば、などでガンッと出費して、その後ショートするケース。どちらかというと一時的な出費より、その期間の稼働率が落ちるので、その翌月以降の入金が減るという余波がでかい、的な理由が大きいようです。

冠婚葬祭以外にも、例えばインフルエンザで1週間寝込んだ、事故ってPCに向かえない時期があった、などで瞬間的に困窮した人もいました。あと1番怖かったのが、入金遅れ。入金日に何度も何度もネットバンクの残高を読み込んだ話とか、怖すぎて良い酒の肴になりますね……。3ヶ月くらいは働かなくても家賃その他がまかなえるくらいのプール金が必要だよね、というのが大方の意見のようです。

 

打ち合わせに呼ばれまくるけど、仕事にならない

わたしもありました。最初の頃は声がかかるだけで嬉しくて、喜んで行ってしまって、「アレ?」みたいなことがよくありました。つらかった……。

名刺交換して、あんなことやろうこんなことやろうで盛り上がり、「今度会社まで打ち合わせ来てくださいよ!」みたいに呼ばれて行って、何度も呼ばれる割には「企画会議という名の雑談」が続き、いつまで経っても発注がない。かさむ交通費、削られる自分の作業時間。

そうこうしているうちに「期が変わって予算編成中なので、いったん待ってもらえますか〜」でのらりくらりかわされ、結局無駄足、というやつです。慣れてからは、よっぽどのことがないと打ち合わせに行かないようにしたり、発注書の内訳に対面の打ち合わせは月に何回まで、と明記してもらったり自衛しましたが、分かるまではつらかった。あとは、プレゼンフィーを取るようにしたりとかね。思いきって聞いてみると、意外に予算って出るもんだなと思ったこともあります。とはいえ、聞かないと出してくれないところのほうが多かった。

人によってはアイデアだけ拝借されて自分はプロジェクトに呼ばれず、知らぬ間に企画がリリースされていたりとか、実際にあった話だとか……。怖い……。

 

独立時のご祝儀発注で図に乗る

雑誌なんかでも創刊時には「ご祝儀出稿」と言って広告枠が全部埋まったりしますが、独立時も「お祝いだから」ってポンと発注してくれる人がいます。えっこんなに簡単に仕事ってもらえるの、で、その後の営業活動を怠ってしまうケース。また、独立直後は瞬間的に売れっ子になるものの、その後は納品に追われて営業活動に割ける時間が減り、結果的に詰む、というのもありますね。

個人的にわたしが自分はフリーランス向いてないな〜と思ったのは、チームで働くことが好きだったから、という以外に、この「納品しながら営業する」の両立が難しかったからです。納品するなら納品に集中してしまうので、並行して違うタイプの業務を行うことができなかった。

とはいえ、業種にもよるでしょうし、優秀な営業マンとタッグを組んで役割分担する人もいますが、どっちがいくら取るのかを最初に決めておかなくて、後から取り分で揉めた、というパターンも聞くので、よっぽど信頼できる相手でないと難しそう。いずれにせよ、3ヶ月先くらいまでは見越して動いておかないといけないなあと感じました。

 

同世代以外のメンターを作らず視野が狭まる

フリーランスに限らず、起業した友人の誰に聞いても「自分とは違う年代の人の意見を聞かないとダメ」という意見がありました。特に年上、10歳以上、できれば20歳くらい離れた人の意見を聞かないと、自分の視野の範囲でしか物事が考えられず、ガキ扱いされて、もっと大きなビジネスに持っていくまで苦労した、というのが概ねのところ。

事業拡大で借り入れや資金調達をしようとするときに、銀行や「大人の人達」と対峙しなきゃいけないのに何も知らなくて苦労した、というものから、年上の取引先や大手企業とやりとりをするときのマナーが分からず、相談できる相手がいなくて困った、というものまで。同世代の事業主での情報交換だと身体や頭も同じくらいの健康さなので、どうしてもイケイケ押せ押せが主戦法になるんですよね。マイクロビジネスでやっていくなら特に気にしなくてもいい問題かもしれませんが。

あと面白かった意見としては、常に自分の意見や企画はフレッシュだ、最先端だ、と思っていたけれど、よく観察してみたら、今の10代、20代のリアルな感覚が分かっていなくて愕然とした、という話。フリーランスだと知り合い同士で仕事を回すことが多くなって、世界が狭まっていた、というケースです。これは会社勤めでも同じかもしれません。

5歳違うと、見えてる世界はかなり違う。上の視界も下の視界も、まったく同じものを見ることは無理とはいえ、「あ、こんなに違うんだ」というのを意識して摂取していかないといけないなと思います。

 

成功している人の背景を想像しない

フリーランスや起業を勧めてくる人たちは、「自分もそれでうまくいってるから」というケースが多いです。そりゃそうですよね。自分が楽しいなら、人にも勧めるはず。

こうしてこうすればいいよ、こうしたら仕事になるよ、とアドバイスされ、なるほどそれならいけそうだ、と思って初めてみたら、思ったように資金繰りがうまくいかない。十分に気をつけていても、取引相手によって支払いサイトが違って、そこのズレからたまたま入金のない月があったりして、「うわっピンチ」という状況が、最初は少なからずあります。

それに本人がどれだけ注意していても、運ってある。取引先が飛んで売掛が回収できなかったりすることも、このご時世、普通にあるわけです。こういう苦境も独立を勧めてきたアイツらは乗り越えてきたのか〜すごいな〜と思いながら四苦八苦して、なんとかしたあと、「お前ら、ああいうときどうしてたの?」と聞いたら「俺、実家だから(家賃や固定費がかからない)」「嫁の給料でなんとかしのいだ(パートナーがセーフティネットになっていた)」というタネ明かしが。先に言えよ〜〜〜と思った、という笑い話ですが、割とこういうパターン、あります。

フリーランスロールモデルにしていた人が、実は奥さんが安定した職業だったとか、在職時の制度を使ってマンションのローンを先に払いきって、固定費を激減させたあと独立したとか、そういうパターンもありますね。

それが悪いというわけでなく、リスクヘッジとしてそういうやり方もあるよねという話なんですが、新卒フリーランスになる人と、そういう人たちとは状況があまりに違いすぎる。チートじゃん、という話をあとから聞いて「まじかよ〜」にならないためにも、そういう部分もよく観察したり、ぶっちゃけて聞いてみて欲しいと思います。参考になる部分もあるだろうし。

 

さいごに

たくさん書いて疲れたので、このへんにします。

個人的には、会社勤めもフリーランスも、良いところと悪いところ、両方あるし、大切なのは、より自分にフィットする働きかたを選ぶことだと思っています。だって、これから先、何十年も働いていかなきゃいけないんだし、イヤイヤ毎日を過ごすのは、とてもつらい。どうしても大人たちは会社勤めの方がイメージしやすいからその道を勧めてくるだろうし、実際、リスクは低めです。得られるメリットもたくさんあるしね。

でも、会社勤めにどーーーしてもフィットしない人だっているわけで、選択肢は、たくさんあったほうがいいです。学校に行って勉強したり、仕事で使える技術を身につけるのは、すべて「自分が選べる選択肢を増やすための行動」だと思うので。

なので新卒でそのままフリーランスになったっていいじゃん、とも思うのですが、自由には責任が伴い、気をつけなきゃいけないことも、たくさんある。そういう部分をちゃんと踏まえた上で決断してね、ということが言いたくて書いたエントリでした。

 

まあそんなこと書いたって、どうせあんたたち聞きゃしないんでしょ!とは思いつつ。たくさん転んで、楽しいことをいっぱい経験してください。大変なこともあるけど、働くのは、楽しいよ!
応援してます!

 

関連エントリはこのへんなどもどうぞ。

今日はそんな感じです。
チャオ!

 

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思い出したので追記!
見積書〜請求書はこれ使うと便利だと思うよ!

hase0831.hatenablog.jp