インターネットの備忘録

インターネット大好きな会社員がまじめにつける備忘録です。

夢を叶えたいなら、否定も肯定もバランスよく摂取しよう

読みまして。

老害のたわごとだと思って読んでいただければ幸い。

夢を否定する人たちとのつきあい方

「夢」という言い方が、個人的にはすごく嫌いです。いきなりですみません。しかも言い方だけの問題なので、アレなんですが。
「夢」を語るのはとても素敵なことだと思うけれど、それを実業にしていこうとするならば、「夢なんです」という言い方は即刻捨てるべきかと思います。自分のやりたいことで生計を立て、世界を変えようとするのであれば、それは「夢」ではなく「目標」だから。そして「目標」は達成に向けて期限とタスクが設定されるもので、そこが決まれば、あとはやっていくだけ。そこまで来てしまうと、外部に語る必要はなくなるんです。

村上龍が「目標を持つのは基本的に憂鬱なことだ」と言っていましたが、実際にすべきことと期限が見えてしまうと、あとはそれに向けて実務をこなしていくだけになり、「夢なんです」と楽しく語っている場合じゃなくなる。逆に「夢なんです」と言えるようなことにずっと関わっていたいのであれば、それとは別に、飯のタネを確保しておくほうがいいかもしれません。

ともあれ、本当にそれで生計を立てたいと願うなら、宣言とともにすぐさま目標へ至る道を整備し始めましょう。世界はあなたが思っているよりずっと早く進化していて、「イノベーション」を掲げるなら、なおさら今すぐ動かないと、あっという間に置いて行かれます。すでにPDCAですらなくBML、Build/Measure/Learnの世界が来ています。ステップがひとつ減らされ、さらにスピードは上がっています。もはやPlanとDoとActionはBuildにマージされ、Checkといったふんわりした効果測定は意味をなさず、もっと厳密なMeasureが求められますし、その結果から何をどこまでLearnできるかに実行者の手腕が問われています(ルー大柴みたいになった……)。

そして他人の夢に対して懐疑的であったり批判的だったりする人の言葉の中には、この「目標」の精度を高めるため必要になる正確な批判が含まれていることが、多々あります。

もちろん、ただ単に「いちゃもん」をつけたいだけの人もいます。でもそれは実際にビジネスの現場へ出たとしても、たくさんいる人たちです。そういう類の人たちの言葉を見つめ、そういうことを言いたい人たちへの対策を練っておくのは、あなたの夢の実現への近道になるんじゃないかなと思っています。

肯定”だけ”してくれる人たちとのつきあい方

 では一方で、あなたの夢を全面的に肯定し、応援している人たちは、あなたの夢の実現に、どれだけ役立つでしょうか?もちろん気持ちを鼓舞してもらえたり、折れそうな心を支えてくれることもあるかもしれません。たとえばあなたが海に出ようと船を作り、さまざまな人にそれを見せたとします。「この船でわたしは太平洋を横断するんです!」と輝くような眼差しであなたが語れば、大半の人はそれを肯定し、口々に「いいじゃん!」「かっこいい!」「応援します!」などと、嬉しい言葉をかけてくれるでしょう。

でも、実はその船に致命的な欠陥があり、沈没の危険をはらんでいたとしたら?
肯定し褒めそやす人たちが見ているのはあなたの輝く表情”のみ”であり、実行計画については、まったく目を配っていないのだとしたら?

夢を肯定してくれる彼らが無責任な悪人だ、と言いたいのではなく、彼らが肯定しているのは「あなた自身の輝く眼差し」であり、その実行計画についてはまったく考慮していない可能性だって、十分にあるわけです。

そのことに気付かず、欠陥を見落としたままあなたが海に漕ぎだしたあと、嵐に遭遇し、船が沈没してしまったら、彼らはなんと言うでしょうか。大半の人が、「惜しかったね〜」「でも、いいトライだったよ!」と、失敗したあなたをまた肯定してくれるかもしれませんね。でも壊れた船の借金を抱え、ずぶ濡れのまま、もう一度新たなスタートが切れる場所を探すのは、他でもない、あなた自身です。

 

夢を叶えるのは自分。選ぶのも自分

 あなたが自分の夢を夢のままにし、否定から遠ざけ、宝物のようにキラキラした状態にしておきたいのなら、それもそれでよいと思います。実現性の検証や調査、実行についてのプランを立てる必要もないし、そのプランについての厳しい指摘を受けて落ち込んだり、苦労して検討しなおす手間もいりません。選ぶのはあなたです。あなたが選んだ道を否定できる人は、この世界に一人もいませんーーーあなた自身を除いては。
 
なぜ大半の人が「まずは会社へ就職を」「最初は大企業へ」とアドバイスするのか。組織や大企業には過去のノウハウがあり、夢を目標へ、目標を達成へ導く方法を知っている場合が多いからです。もちろん、残念ながらそういうノウハウを持ち合わせていない会社もあります。それでも他人と働き、ひとりでは知り得ない知見を学び、自分とは異なる意見やスタンスの人と議論を交わすチャンスを提供してくれる場、という意味では、大いに利用する価値があると思います。そのチャンスカードをあえて使わない、というのであれば、そのカードを使わないで済むだけの武器が、自分にあるのかどうか。それを自分に問いなおしてみてください。

他者からの批判を受けるとき、あなたはその手の武器の強度を試されているのだと思います。
自分にしかない武器を見つけてひたすらに磨き、その武器をもって、自分の未来を切り拓いて行ってください。夢を目標にしたい、と決意し踏み出す人を、わたしは心から応援しています。

 

今日はそんな感じです。
チャオ!