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インターネットの備忘録

インターネット大好きな会社員がまじめにつける備忘録です。

相手が下げた頭を、踏みつけてはいけない

 「引きどき」ってあると思うんです。

仕事で揉めたり、相手がよくわかんないこと言い出して拮抗状態になって、ウワーこれもうどうしよう、みたいになって、最終的にこっちに非がないことがわかって「まあまあじゃあここいらで一発手打ちにしましょうや」となり、相手が謝罪してきたとき。ついつい「ほらだから言っただろ」みたいになりがちなんですけど、こっちがまだ攻められる余地を少し残した状態で引くのがうまいやり方なんじゃないかな、と思うんですよね。最近、一緒に仕事してる人がこのへんすごく上手で、その線引きのポイントっていうのが「これ以上攻めると、相手のプライドを傷つける」と思うかどうかだそうなんです。

 揉める、っていうのは、相手も少なからず自分の正義を信じて主張してきているわけですよね。もちろんこちらにも主張はあるので、そこ同士をぶつけた結果、こちらに理があるとなり、相手が折れた場合、次に何が大切かというと、「じゃこのあと、どうしましょうか」をいかにスムースに切替えるかどうか。議論の過程でムカーッとなって、まだもっと言える、主張できる余地がある、となっていても、相手が引いて謝罪したなら、それ以上は追求しないこと。

これと似たようなことを以前、うんと年上の方にも教わったことがありました。
そのときも取引先と揉めて交渉しにいく直前だったんですけど、わたしも当時は若くて血気盛んだったもんで、頭に血がのぼって「ふざけんじゃねえこのやろうブン殴るぞ」くらいの気合いで、鼻息荒く出かけるところでした。(よくないですね)

ありとあらゆる資料を揃えてこちらの正当性を証明できる状態にし、よしこれならもう絶対に負けねえぞとなっていたところに、ポンと背中を叩かれ、じっと顔を見つめられた後に、「もし相手が頭を下げたとき、その下げた頭を、絶対に踏みつけてはいけないよ」と言われたんです。
自分より倍以上も年上の人だったので一応素直に聞いておこうと思い、なんすかそれなんなんすかって質問したんですけど、要するに相手が頭を下げた時点でその争いはもうおしまい、その頭をさらに踏みつけても、何の得もない、今日はそこに気をつけて交渉してきなさい、ということなのでした。
ふうんそういうもんか、と思ってちょっと冷静になれたおかげでその時の交渉は無事穏便に済み、相手から謝罪とリカバリ案を引き出せていい感じに着陸して、その後も友好なお付き合いができたので、結果的に「確かにあのアドバイスを守っていてよかった」と思ったのですが、ああいうアドバイスをするに至ったきっかけって何かあるんですか、と聞いたことがありました。

その方曰く、相手が頭を下げてるのにこちらに理ありと攻め続けると、相手はどんどん後がなくなって、追い詰められていく。追い詰められた相手は、こちらの予測ができないことをしでかすから、そうなると、今度はリスクのほうが大きくなる。だから相手がプライドを曲げて謝罪したのなら、こちらはその気持ちを汲んで刀を収めたほうが、結果的にうまくいくんだよね、ということでした。

ちなみにその人は「相手が頭を下げてるのに攻め続けてしまった」経験があり、物理的に刺されたことがある(!)そうなので、「だからそういうことやりすぎると、結局こっちが損するんだよねえ」と笑っていらっしゃいました。こわい。

 そういう、「損して得取れ」(?)みたいな話だけじゃなくて、怒り方にも品性が出るなと思います。髪振り乱して大騒ぎをし誰かを非難するのは見ていていい気持ちではないし、なるべく冷静に、フラットに、問題点を指摘してそこが改善されたならあとは引く。感情のざわつきはいったん横に置いておいて、まずは問題を解決し、感じてしまったそのざわつきは、また別のところで発散すればいい。

以前、ジェーン・スーさんがこんなTweetをされていましたが、本当にそんな感じで、自分がいま完璧に満ち足りていたら、この人をこれ以上責めるだろうか?という視点はあるといいんじゃないかなと思ったのでした。

 
 今日はそんな感じです。
 チャオ!

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