インターネットの備忘録

インターネット大好きな会社員がまじめにつける備忘録です。

アテンションエコノミーに関わってはならない

釣りとかバズワードとかバイラルメディアとか色々ありますね。個人的な所感を備忘。

承認欲求と換金装置

1998年代ごろからインターネットで文章を書いてきました。日記みたいな書き散らしからmixiで意識高い決意表明まで、何しろどこかに何かを書いて発表したかった。いろんな人に読まれて、感想をもらいたかった。小学生の頃、本が好きなお友達同士と自分で書いたものを持ち寄ってコピー本を作っていたのと基本的なマインドは変わっていません。

そしてブログが登場し、書いたものを発表できるハードルはぐーんと下がりました。これなら自分が書いたものも読んでもらいやすいし、何より他の人が書いた面白いものも見つけやすくなる!と思って嬉しかった。

そしてインターネットビジネスの普及に伴い、書いたものに付いたPVが換金できるようになる時代が来ました。

そしてPV至上主義の波が押し寄せました。
ただ自分の承認欲求を満たすために使っていたツールが、お金を生み出す可能性を帯び始めたのです。


それは本当にやりたいことなの?

不定期にでも書き続けて、注目してくれる人も増えました。
それはわたしにだけではなく、他の書き手にも同じことが起きていて、本当に面白い人、価値のある文章にスポットが当たるようになって、悔しいと思うことも増えたけど、わたしもあんな文章を書きたい、と思えて楽しかった。

プロのライターでなくても、良い文章をコンスタントに書ければ脚光を浴びて、いきなり連載が持てたりする。

夢のような時代が来たと思いました。応援したいと思うブロガーさんともたくさん出会いました。

そして今。
PVのために事実を捻じ曲げたり煽ったり、伝えたいメッセージもなく、ただ注目を集めるために暴れまわるような書き手が増え、彼らにPVが集まるようになりました。
少し、焦りました。
でもここでこの流れに乗ってしまうのは自分として正しいのか?と何度も自問自答しました。そんなことがやりたくて、叩かれても絡まれても書き続けてきたのか?と悩みました。


PVがあるからといって、イコールそれらがすべて価値のあるコンテンツではない。みんな理解しているはずなのに、その波には抗えないまま、わたしの好きだったブログの世界の一部は、目を背けたくなるようなものに変わっていきました。

読んでいて感情を逆撫でされることはあっても、根底に何もない、ただ時間を消費させられた、と思うものばかりが目立つようになりました。

わたしはそんなことが書きたいんじゃない、と気付けたのは幸いでしたが、伝えたいことがどこにあるかわからない文章が、PVを武器に表舞台を占領しはじめ、本当に出会いたい文章との距離がまた開いてしまったのです。


積み上げてきたものが崩れるのは一瞬

正直、PVを武器にして表舞台を占領する人たちを羨ましく思わないとは言えません。
でも、だからといって自分までその世界に飛び込みたいかというと違います。何のために書いて来たかが違うし、何のために書きたいかも違う。いままでそんな気持ちで書いて来たわけじゃないのに、焦っても仕方がない。

あっちの世界のことは理解できないし、品がなくていやだなあと思うのは事実ですが、そんなやり方ですらオッケーなのがわたしの好きなインターネットなんだとも感じます。

でも自分が書いたものは残るんです。
そして自分が書いた事実もなくならないわけで、わたしは自分が書いたことに対して、言い訳しないでいたい。
あれは仕事だから、釣りだから、プロレスだから、と後から言うのは本当にみっともないし、そんな人の書いたものに魅力は感じません。

わたしは自分が書いたものにガッカリされたくない。間違えたり、うまくやれなかったりするときもありますが、それも含めてわたしなんです、と言えないものは書きたくないと思います。


アテンションエコノミーに引きずられて、本当にやりたいことや好きなことを見失うのは悲しい。

ただ、インターネットはそういう「わたしはこう思う」が並列存在できるのが面白いところなので、そこも含めて、インターネットとはなんて恐ろしくて楽しい世界なんだ!と実感したよ、というお話でした。

今日はそんな感じです。
チャオ!