インターネットの備忘録

インターネット大好きな会社員がまじめにつける備忘録です。

客は演者につくのか、ハコにつくのか。またはイベント運営について

とりあえず最近超ショックだったニュース。

渋谷屋根裏が経営悪化で営業終了、存続のため協力者募集http://natalie.mu/music/news/86977

屋根裏は観に行くことも友人が出ることもあって思い出深いライブハウスです。
でも最近は行かなくなっちゃったな。

何でかは分かりません。単に、最近の「ここでライブやるよ」「このイベントが面白そうだよ」っていうお知らせ・お誘いが、屋根裏とかじゃなく、渋谷だったらWWWDUOGlad7thFloorみたいな、ザ・ライブハウスというよりも、ちょっと変わったハコのことが多くなったせいかな?くらい。
7thFloorは下北沢のモナレコードみたいな座って聴けるタイプのハコなので、すごく好きです。眺めも良いし。
これは好んで聴く音楽によって馴染みのハコって変わってくるんでしょうし、立地も影響してるのかもしれません。アニソン系イベントの情報とか見ると「こんなとこあるんだ!」っていう場所にライブハウスがあったりしますし、知らないハコもたくさんある。


自分自身の感覚でいうと、それこそ10年、15年前にあったような、「○○のフライヤーをチェックしておけば面白いバンドが見つかる」みたいなのは今はもうあまりなくって、「△△っていうバンドが○○っていうハコに出るから行こう」みたいな感じに流れが変わってきていると思っています。


みたいなのを踏まえて、

なぜライブハウスはバンドに集客を依存するのか?http://togetter.com/li/232113

続・なぜライブハウスはバンドに集客を依存するのか?http://togetter.com/li/376824

を読んでると、今はもうあまり「ハコにファンがつく」ってないのかもしれないな、と感じました。
実際どうなんだろう?少なくとも自分自身と、身近な人たちでそういう選び方をしている人はあまり見なくなりました。


今、わたしが感じているネガティブな印象としては、ハコがバンドに集客を依存し、バンドは身近な親類縁者頼みで集客を行い、来てくれるお客さんはほぼ全員バンドメンバーの友達、みたいな状態になっていて、バンドマンはそこでの社交に奔走、結果、ライブハウスがバンドマンたち同士の交流サロンみたいになって、ふらっと観に来たお客さんにとってはすごく居心地の悪い空間になる……みたいな感じ。


正直そういうイベントにウッカリ当たってしまったことも少なくないですが、その時の「お金払ってまでヘタな演奏を聴いて、さらに身内の馴れ合いを見せられて、一体わたしは何しに来たんや……」というやるせない感じ、お金だけじゃなくて、時間の無駄遣いをしてしまった、という後悔は言葉にできないほどの虚しさでした。


そういうのに連続して当たってしまってから、しばらくライブハウスとかインディーズバンドのイベントとか行きたくないなーと思っていたのですが、最近はDJ系イベントをきっかけに、また行くようになりはじめています。
これは結局、知り合いがDJで出るよ→じゃあ応援も兼ねて行こうか→DJめっちゃ良かった→また行く→そのイベントで他のDJさんを知る→その人目当てで別のイベントにも行ってみる、みたいな、人ありきの流れなんですよね。
だからハコはわりと選択理由になっていなくて、面白そうな人が出るならどこへでも行くぜ、みたいな感じです。


Togetterの集客話にも関連するのかもしれないのですが、結局人が人を誘うのが一番強烈なプロモーションで、ハコが演者に集客を依存してしまうのも何となくわかります。だって「こういう人たちが出るから来てください」っていうより、「俺が出るから来てよ」のほうがはるかに「じゃ行こうか」度は上がる。


でもそれを続けていくと結局タコツボ化するというか、営業がヘタな保険勧誘のおばちゃんみたいに身内全員加入させたら手詰まり、みたいな、あまり広がっていく未来が見えない感じしますよね。


で、自分でも「おしゃれじゃない音楽イベントやります」とか言い出していることとも関連するのですが、何かイベントをやろうと思ったときに「その場にだけ来てくれれば後は知らない」じゃイカンよなあというか、面白くないよなあ、とすごく意識しています。


↓そのへんのことは、ここにガッチリまとめられていて、定期的に読み返しているのですが

イベントについてボクが思うこと|拝むように弾いてくれ

引用

そもそもイベントやるキッカケがなんなのか、という所がポイントなるんだと思いますが、ボクは自分の思ってる楽しいをいろんな人とシェア出来たら嬉しい、というのがイベントやったり出たりのキッカケになるので、すでにシェアできると自分が実感した相手に対してはケアしないことが多いかも知れないです。(呼んでおいてそれはそれで大変失礼な話ですが、その人の「楽しみ力」みたいなものを信用していると思ってもらえるとありがたい。)


イベントについてボクが思うこと|拝むように弾いてくれ


わたしも、自分で何かを主催してやろうと思うのは、「何かと出会うきっかけを提供したい」「自分が大好きなものを、それをまだ知らない人たちに知ってほしい」みたいな気持ちが大きいです。


「人との出会いは新しい人生の可能性」にも、電子書籍にも書いたことなのですが、「何かを新しく知る、というのは、新しい人生の可能性と出会うこと」だと思っています。これはずっと変わりません。


わたしがそうやっていろんな人から新しい人生の可能性を見せてもらって、それの可能性を選んできて、そうして世界がどんどん変わっていって、生きていてすごく楽しいので、自分も同じように誰かが楽しい人生の可能性と出会えるきっかけを作れるといいな、と思っています。


話があっちこっち行っちゃいましたが、なんか、ライブハウスに限らず、いろんな気持ちでいろんなイベントが企画され実施されていて、何となく気にしたまま行く機会を見送っているとどんどん消えていっちゃうものだから、ちょっとでも「おっ」と思ったら、思い切って飛び込んでみると素敵なことが起こると思います、という感じのことが言いたいエントリでした。おわり。