パターン1
夫とわたし。
- わたしは新しいテレビが欲しい
- 夫は今のテレビでいいと思っている
議論の目的
- なぜ、新しいテレビがあると良いと思うのか
- なぜ、今のテレビのままで良いと思うのか
パターン2
会社の上司と部下。
- 上司はクライアントから提示された納期を承諾したい
- 部下は提示された納期よりもう1週間余裕が欲しい
議論の目的
- 提示された納期を承諾することで会社とプロジェクトが得られるメリットは何か
- 提示された納期に余裕を持たせることでクライアントに与えられるメリットは何か
パターン3
A子さんとB男くんが渋谷から上野へ向かおうとしているとき。
- A子さんは東京メトロ銀座線で向かいたい
- B男くんはJR山手線で向かいたい
議論の目的
- 東京メトロ銀座線で行くメリット(始発なので座っていけるetc)
- JR山手線で行くメリット(地上なので携帯が通じやすいetc)
議論は勝ち負けを決めるためではなく、異なる視点を得るためのもの
一方が思っている未来と、もう一方の未来は100%同じではありません。
また、自分が「これでいい」と思っている道も、必ずしも完璧ではありません。「知らない」こともたくさんあって、「気付いていない」こともある。また、状況によってもベターな選択肢は都度違うでしょう。
それを教えてくれるのが他者との意見交換で、自分だけでは得られない異なる視点です。
他者からの意見を受け入れたからといって「負け」ではないし、「相手に合わせて自分の意見を取り下げた」わけでもありません。「新しい自分の意見が生まれた」のです。
「議論に強い人」「声の大きな人」の意見が通って、それ以外の人が口を挟む余裕がなく、「自分の意見を取り下げざるを得なかった」と感じるのであれば、それは「議論」ではなく、「合意した」という既成事実を作るため予定調和の場に居合わせただけです。
相手の考えや意見を尊重し、同じくらい自分の考えや意見を大切にする人どうしが揃って初めて行えるのが「議論」なのではないかな、と感じました。
- 他人の発言をさえぎらない
- 話すときは、だらだらとしゃべらない
- 話すときに、怒ったり泣いたりしない
- わからないことがあったら、すぐに質問する
- 話を聞くときは、話している人の目を見る
- 話を聞くときは、他のことをしない
- 最後まで、きちんと話を聞く
- 議論が台無しになるようなことを言わない
- どのような意見であっても、間違いと決めつけない
- 議論が終わったら、議論の内容の話はしない
- 作者: 北川達夫,フィンランドメソッド普及会
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