インターネットの備忘録

インターネット大好きな会社員がまじめにつける備忘録です。

キモノデビュー最低ひとそろえ

友人の初キモノ見繕い用にメモ!
前提としては、散歩とかカジュアル飲み会に着ていく感じの「普段用」「値段が安い」「手入れの楽」なキモノ。

最低限の前準備

浴衣と違ってちょっと準備するものが増える。

  • 肌着(キャミソールとかスリップでいい)
  • 長襦袢(着物の下に着るやつ)
  • 足袋(まずは白が無難)

直接肌に触れるものなので、レンタルを利用するにしてもあると良い。

長襦袢の襟には「半襟」というのがついていて、基本的に手縫いで付けるんだけど、最近はワンタッチ式のとかあるから、そういうのでもいい。「半襟付き」とか書いて売ってる長襦袢もあるけど、襟がフニャフニャで心もとないので、「半襟」という名のものを買ってきて付けたほうが、シャッキリして良い。ここは好みの問題もあるので、割愛。わたしは半襟を手縫いで付けて、三河芯という衿芯(半襟の補強に使う、硬い布)を入れてます。


着つけるのに必要(表には見えないけどいるもの)は

  • 腰紐(3〜4本あると良い)
  • 伊達締め(帯を巻く下地を作る)
  • 帯板(帯と身体の間に挟んで、帯をパシッとさせる)

が必要。
ウエストとおしりのくびれ部分にタオルとか手ぬぐいを挟む方が、汗予防にもなるし着崩れもしにくくなるけど、割愛。


絶対に絶対に必要か?と言われるとそうでもないけど、あったらいいのが

  • コーリンベルト(ゴムベルトみたいなやつで着物をクリップして留める)
  • 衿芯(襟もとに入れると、胸元〜首筋がすっきりする)

コーリンベルトは、母親のお下がりを未だに使ってます。なくてもいいけど、あると安心感が違うというか…。興味があればぐぐってみてください。数千円で買えるはず。衿芯も同じく。プラスチックの安いやつを買って入れて見て、襟のとこにハリが出るのが好みかどうかで選べばいいと思う。わたしはメッシュの衿芯と、三河芯のどっちか。

いよいよ本題

で、基本的に「キモノ」のセットとして必要になるのは

  • 着物そのもの(着たい時期で単か袷か選べばいい)
  • 草履

洋服でいうワンピースとベルトと靴みたいな感じ。
素材も洋服と同じ感覚でいいと思います。真夏にウール100%のセーターは着ないし、真冬に麻のジャケットを着ないのと一緒。


あと帯まわりで増えるとしたら

  • 帯揚げ(布っぽいやつ)
  • 帯締め(紐っぽいやつ)
  • 帯飾り(あってもなくてもいい)

を揃えて買うとよい。
ただ、帯が半幅帯(浴衣のときに使うような、幅の細い帯)ならこのへんはいらない。でも集めたりするのは楽しいので、後から買うといい。安いし。

選び方

今回は普段着用で格とか気にしないで、単に楽しく着ることが目的なので、細かいことは省略。
長襦袢と足袋はシンプルなやつが後々使い回しがきくと思います。


長襦袢に関しては個人的に「うそつき二部式襦袢」が絶対いいと思う。
身体部分がさらし布になっていて、上半分を着た後に、巻きスカートみたいに下半分を着るので、楽。衣紋抜き用の布が背中についてるとなおいい。袖が付け替えられると楽しいけど、別に袖が付け替えられないやつでもいい。気にならないなら素材もナイロンのでいい。わたしも正絹の長襦袢とか手入れが面倒だから、盛装のときにしか着ない。


こんなやつ。本当は「肌襦袢+裾よけ+長襦袢」って着るんだけど、それがぜんぶセットになってるから「うそつき」って言うんだって。「うそつき襦袢」で検索するとたくさんあるし、店頭の取り扱いも普通に見かけるから、値段で決めればいいと思う。


下着を揃えたら、あとは着物。
着物は素材とか柄とか色々あるけど、まず大雑把に「裏地がある/ない」で区別。
「裏地があるもの」=「袷(あわせ)」「裏地がないもの」=「単(ひとえ)」
袷は秋〜春まで着られる(10月〜5月くらい)から、活躍の幅が広いと思う。
単と袷の違い、ここのページが詳細で分かりやすいです。わたしもここで覚えた。

きもののことを知ろう>装いアイテム(きもの)|雅●きものあれこれ
http://www.miyabi-w.com/shiru/yosooi_item/1.kimono.html


盛夏には浴衣を着るほうが身近だろうから、単と薄物の説明は略。
袷の着物、素材はポリエステルとかでいいなら、5,000〜10,000円程度見ておけば手に入る。ポリエステルの良さは「扱いが荒くてもいい」「洗える」「そこそこ軽い」ところかな。飲み会とか、人にお酒をこぼされたり(自分でこぼしたり…)する可能性があるときに、絹のいいやつを着てると落ち着かないので、わたしはポリエステルの着物で飲みに行くことが多いです。後始末も楽だし。


着物自体は、もちろん絹の着物のほうが暖かいし柄もきれい。ただ本当に価格が青天井なので、お財布と相談してください。古着屋とかリサイクル着物屋さんを回って出物に会えれば、3,000円で正絹の袷(ちょっと裾にシミあり)みたいなのも、ある。正絹でも普段遊び着にしてるのは、このへんの価格帯です。洋服より安い……。
今までの経験則で「やっちまった」感がよく出るのは「色無地」と「細い縦縞」。顔とスタイルと雰囲気にもよると思うんですけど、わたしはこの2つを着るとどうしても「温泉宿の仲居さん」みたいになっちゃうので避けるようにしてます。ここは洋服選びと一緒なので、色々当ててみるといいと思う。
自分では、「普段着る洋服からあまり遠すぎない色と柄」から入ると失敗しにくいし、だいたい似合う似合わないが把握できてるので、気楽に着れていいなと思います。黒字にドットとか。


これに「半幅帯(はんはばおび)」。
「はんはば」ってみんな呼んでるみたいです。着物屋さんで「これなら『はんはば』で大丈夫ですよ」みたいによく聞きます。半幅帯とそれ以外の帯の違いは、付け方。帯揚げと帯締めがいらない。浴衣のときの帯をイメージすれば良いです。普段着用ならこれでOKだけど、帯揚げと帯締めをしたい!色あわせで楽しみたい!と思うなら、「名古屋帯(なごやおび)」を手に入れればよいと思います。

きもののことを知ろう>装いアイテム(帯)|雅●きものあれこれ
http://www.miyabi-w.com/shiru/yosooi_item/2.obi.html

「着物1枚帯3本」っていうそうなんですけど、着物をたくさん揃えるよりは、帯をいろいろ揃える方が、バリエーションが広がるそうなので、帯はちょっといいものを、真剣に選ぶといいかも。



あとは足元。
下駄でもいいですけど、草履のが疲れにくいのと、下駄だとかなりカジュアルな感じになり過ぎてしまうので、せっかくなら草履で。靴と同じで、高価なもののほうが履きやすくて疲れにくいものが多いし、だからって必ず何万もするものが足にフィットしてガンガン歩けるというわけではないので、5,000〜15,000円くらいの幅でみればいいと思います。
鼻緒の色は1色より何色か入ったり柄になってるほうが合わせやすいかなーと思ってるけど、お好みで。
「お好みって言われてもわかんないよ」という人に選ぶなら、このへんのものでいいと思う。

あとは着るだけ

インターネット素晴らしいと思うんですが、着付け動画とかが今はたくさんあります。分かりやすい人のを探して見ながら着るのが覚えやすいと思う。

  • 長襦袢〜着物の着付け
  • 帯をしめる

みたいな感じで、2回ピークが来るので頑張って。慣れるまでは腕を上げたり下げたりでヒーハーかもしれない(というかわたしがそうだった)ですが、「結ぶ」「締める」を意識するといいかも。帯を締める前に、鏡の前でくるっと回って、変なシワが入ったりしていないか見るくせを付けるとよいと思います。


着付けは「急がば回れ」の言葉の通り、帯紐など使うものを全部準備した状態から始めるほうが断然早く着れます。
あと、長襦袢を着る前に足袋を履くこと。ちょっと間抜けだけど、着つけたあとにかがむ動作がけっこう大変なので。


着てしまったら後はもう自由で。
「着方が」「格が」とか色々言う人もいると思いますが、普段着なんだから好き勝手に着ればいいと思う。ただ、着物に関しては、「崩すよりピシッと着る方が、かっこいい」ので、カッコ良く着るほうが素敵だと思います。
知らないおばさんに「あなたその着方は」とかアチャコチャ言われるのがヤだなーと思うなら、「観劇」と「百貨店」には着ていかないほうが安心。逆に、こういうところに足を運ぶと、「うわすごい」みたいなゴージャス着物のマダムがたくさんいるので、洋服のときに観察するといいかも。

いろいろ見てアタリを付けておくと良い

だいぶ端折っても長文になっちゃったくらいなので、いざお店に行って選ぶぞ!ってなったときに色々ありすぎて混乱すると思います。ワーッといきなり買うんじゃなくて着物画像とか雑誌とかを見て、自分の好みを大まかに固めておくと失敗しにくい。わたしはそうした。ノーガードで着物を見に行ったところ選択肢の多さに圧倒され「イカニモ着物!」みたいな柄のを買っちゃって、全然着回しできないし合わせ方も分かんなくて、アチャーってなった経験があるので。


もしくは「着物セット」みたいな、デビュー向けのセットを最近よく見るから、そういうのでひと揃えしちゃってもいいかも。プロが合わせてくれてあるので、着物の色柄選びさえ間違えなければ、それだけで充分楽しめると思います。肌着〜草履に着付け小物までセットで1万円、とかザラにある。ただ当たり外れもあると思うから、やっぱり自分の好み(明るい色で柔らかく着たいのか、ダークな色味でピシッと着たいのか、町娘ふうなのか女将さんふうなのか、とか)は見当つけておいたほうがいいかな?


まとめ

  • ポリエステルの袷+半幅帯が値段も扱いとしても入りやすい
  • 肌着や小物類は便利さ優先で、ひと揃え買っておくといい
  • 洋服選びと勝手が違って面食らうかもしれないので、好みを掴んでおく


着付け小物とか、よく考えてあるなあと思う便利グッズが多いので、超高価なものでなければ何でも買って試してみると良いと思います。衿芯とか着物屋さんに色々聞いても「好みですね」でバッサリされることが多いし、自分が着て快適で楽な方法を選べばいい。無理して補正とかしても、苦しいと着なくなっちゃうし……。


着物女性画像をここでTumblrしているのでよければぜひ
http://hase0831.tumblr.com/


お花見に着物とかすごく素敵だと思います。
ぜひデビュー!

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