インターネットの備忘録

インターネット大好きな会社員がまじめにつける備忘録です。

元上司からもらった「忘れられない言葉」を備忘する

2012年が始まり3週間ほど経ちました。
いろいろ追われて慌ただしくしてたら、すぐに今年も終わってしまいそうなので、備忘の意味も込めて昔の上司からもらった忘れられない言葉をメモしておきたいと思います。


社会人生活では上司に恵まれてきたほうだと思うのですが(もちろん変なひともたくさんいましたが)、その中でも忘れられない上司というのが何人かいます。

「こんな風になりたいな」と思う人から、「尊敬するけどこういう風にはなりたくないな」と思う人までさまざまなのですが、それこそ10年経っても忘れられない言葉をくれた人は、特に印象に残っています。

50代・男性・営業部長

すべての人が、自分のお客様になる可能性があると思って接しなさい

これは新卒で入った最初の会社の上司が教えてくれた言葉です。

オフィス内ですれ違う人、飛び込みで営業電話をかけてくる人、どんな人でも、人間相手に商売をしている以上は、巡り巡って自分のお客様になる可能性があるんだから、不遜な態度を取ったり、失礼をしてはいけない、と教えられました。


特に、オフィス内での挨拶は厳しく指導されていて、受付の横を通り過ぎるときに誰か来客がいたら必ず一声かけ、お困りのことはないか伺うこと、と教えてもらいました。会社の電話を取るときも、自分が取り次ぐ以上は「自分が会社の代表になった」つもりで丁寧に応対しなさいと。

この習慣は後に転職した先ですごく褒められて、感謝してもし足りないほどです。社会人生活での「心のお父さん」のような存在です。

40代・男性・事業部長

世の中のすべては「プレゼン」と「レビューだ」

猪突猛進型の上司で、強烈な個性に反発する同僚も多くいましたが、不思議とわたしは相性がよかったようで、お互いが転職して職場が別になってからも、何度かアドバイスをいただいたりしています。


何事対しても理詰めな方で、何かのデザインを決めるとき「なんとなく可愛いからこっちにしました」と言った社員に「あなたの言う『可愛い』はどんな要件なのかを100%の再現性を持って俺に説明してくれ」と切り返し泣かせたという珍事もありましたが、そういうところも興味深く一緒にお仕事をしていました。


「プレゼン」と「レビュー」の本意としては、「これについてこれこれこうすべきだと思う、それはこういう理由で、こういうメリットとデメリットがある」までを詰めてくるのがプレゼンであり、そのプレゼンを受けて判断をするのがレビューで、そこで初めて意味のある議論が行える状態になるわけで、その要件を詰めるところまではプレゼンをする側が準備してくるべき、という教えでした。


彼のご家庭では「リビングのテレビを買い換えたい」というときに「なぜテレビを買い換えたいか、買い換えたときに想定されるメリットとデメリット」を奥様に提案し、その内容をレビューしてもらって協議する、というプロセスを踏むそうです。


「要望や提案をする側」がきちんと理由や条件を把握して、相手が判断できる材料を用意してくるべき、というのは、今でも忘れずに心がけています。

30代・男性・チームリーダー

知識は教えられるけど知恵は無理

ほぼ変わらない年齢で上司となった先輩からもらった言葉です。もしかしたら、彼も自分の上司からそう教えられたのかもしれません。


「○○は××だ」ということを「知識」として教えることはできるけど、「○○ということは、△△だから、答えは××だ」と考える習慣や結果を導く筋道はいちいち教えられないから、常に自分で考えるように心がけろ、という意味でした。


知識を組み合わせて問題を解決していく力が「知恵」で、それは誰かに教えられるものではない、知識ならいくらでも教えるけど、そこから先は自分でやれと言われて、最初は突き放されたように感じたこともありましたが、自分も様々な経験をしていく上で、これは本当にその通りなのだな、と実感することができました。


部署異動で初めて面談したときに「お前は知識はないけど知恵はある、モノは知らないけど考える力はありそうだから、自分のチームに入れることにした。だから死ぬ気で頑張れ」という感じで切り出され、褒められてるのかバカにされてるのかなんだか分かんないなーと思っていたのですが、振り返ってみると、一応褒められていたんじゃないかな?と思うことにしています。
在職中は同僚みんなでライブを観に行ったり、朝まで飲んだり、結婚式に呼んでいただいたり、と、たいへん可愛がってもらいました。

いろんな上司のおかげで今がある

こうして振り返ってみると女性の上司についたことがあまりなく男性ばかりなのですが、みなさん個性豊かで、愉快で楽しい人たちばかりでした。結婚しましたの報告に「○○が人妻になるとか、ありえねー!」と爆笑してくれた人もいました。


今でも付かず離れずのお付き合いがあって、何年かに1度「よう、元気か」と声をかけてくれるみなさんのおかげで、こうして何とか食べて行けているんだなーと思うと、感謝しきりです。


彼らと働いた時間が、わたしを支える背骨になっています。
わたしも誰かにそういうものを分けてあげられるといいな。
2012年もがんばります!