インターネットの備忘録

インターネット大好きな会社員がまじめにつける備忘録です。

一ヶ月たって思うこと

少しずつ日常が戻ってきた矢先に今日の地震でしたがみなさま大丈夫でしたか。

日常が戻ってくる一方、引き換えにどんどん忘れていってしまうことがたくさんあるような気がしていて、なんだか怖いなと思ったので、一ヶ月たった今、思うことを備忘しておきます。

情報とは適度な距離を置いて付き合うほうがいい

直後の1週間は、本当に眠りも浅くて、電気は消すけれどニュースを観ていないと不安で、テレビを付けっぱなしにして寝てしまったり、繰り返し流れる津波の映像をずっと観てしまったりと、「最新の情報を知っていないと居ても立ってもいられない」という、ちょっと異常な精神状態でした。

それは今振り返ってみて気づくことで、その時には情報を浴び続けるほうが安心を得やすかったということもあるかもしれません。

ただ1週間を過ぎた頃からだんだん神経のほうが疲れてきてしまって、意識的にテレビをオフにする時間を作るようにしました。具体的に言うと、もっとも節電が呼びかけられていた18時〜20時のあいだ。

夕食の準備を後倒しにして、テレビや部屋の電気を消し、小さいスタンドライトの灯りや、キャンドルをともして静かに時間を過ごすようにして、最低限の情報のみで神経を休ませる時間を作ったことで、精神的なダメージを軽減できたように思います。

もちろん安全のために最新情報をチェックすることも大切なのですが、ある程度距離を置いて「しっかり休む」時間を取るのも必要なのかもしれません。

人とのつながりで取り戻せる何かがある

おそらく震災ハイの一種なのかもしれないのですが、やたら友人と食事に行きました。

誰かと話をして、お互いの経験を分かち合い、自分の状況を客観視することで、見えないモヤのような「何かどうしようも出来ないことが起きてしまった」という恐怖が、はっきりとした輪郭を持った「震災」として受け止められるようになりました。


ただの「恐怖」はどうにもならないかもしれませんが、「震災」であれば対策や準備をしておくことで精神の安定が得やすくなるのだなと思いました。


もちろん、3月11日のショックで「もう家族や友人に会えないのかもしれない」という恐怖を消すためにいろんな人と会いたくなったせいもあるのかもしれません。
見知った顔ぶれと、興奮状態にあるとはいえお互いの近況や胸に使えていた気持ちを話しあうことで「日常」を取り戻す大きなきっかけを与えてもらいました。

おなかがすいているのは本当によくない

当日、わたしは夫と自宅におり、また被害もほぼなかったため、電気ガス水道は問題なく使うことができました。
とはいえ、実家とも連絡がつかず、ショック状態で神経が昂ぶってしまい、数日はボタンがうまくかけられなかったり、モノを取り落とすなど、普通のことが普通にできないこともままありました。

また震災被害の状況を知れば知るほど、自分がなんの問題もなく生活できていることが申し訳なく感じられ、なんとなく自分を責めるような感覚が消えずにいました。
節電や買い物に自粛についてもあちこちで呼びかけが行われ、普通に生活することに後ろめたさを感じ、行動を制限しなければ、と思い込んでいたのかもしれません。

なのですが、就職で東京に住んでいて、実家が津波で流された友人に「東京が参ってたらこの先どうすんだよ」「へこんでるくらいなら、俺の地元の海産物買って食べてくれよw」と言われてああそうか、頑張れる状態にあるなら、ちゃんと食べて寝て、元気でいられるなら元気でいるべきなんだ、と気付きました。


もしかしたら、無力で何も出来ないことの情けなさを、自分を責めることで誤魔化そうとしていたのかもしれません。

何万円も寄付できなくても、車で物資を運ぶことができなくても、電気をひとつ消すだけで、1つ余計に買うのをやめるだけで協力はできる。でも、そのためには心身ともに元気でいないと、長くは持たない。


震災後にお友達と「この先、震災の余波で仕事が流れたりキャッシュフローが詰まったりして小さな会社がどんどん潰れるかもしれない。そのときに、違う意味でまたもうひと頑張りしなきゃいけないよね」という話をしました。

半年後、一年後、見えない形でまた違う被害が広がっていくことを覚悟しながら、そのときに備えてしっかりと考え、準備をする。


30代になったとき、「20代まではがむしゃらにやってくればなんとかなったかもしれない。でも、これから先は体力も落ちてくるしいろんなことに制限がかかる。そのときに大切なのは『勝つこと』ではなく『負けない戦い方を覚えること』」と教えてもらいました。

それと同じで、細く長く、辛抱強く、勝たなくてもいいから、負けないように。
誰かが倒れそうなときに救えなかったとしても、それでも新たな被害をうまないよう、自分だけでも倒れないよう踏ん張るためには、しっかり食べて、健康でいることが絶対なんですね。

細く長く忘れないでいること

そのためには「ルール」にしてしまうことが大事、ということで、「毎月11日は大人の千羽鶴の日」とマイルールを作りました。


参考にしたのはこちら

多田あさみさんの 「大人の千羽鶴 (募金)」 が素晴らしいと話題に
http://blog.livedoor.jp/insidears/archives/52441968.html


少額でもコツコツと贈り続けることで、自分自身が忘れないでいるためにもなるかなと思っています。あまり複雑な方法だと続かないので、わたしはファミリーマートのFamiポートから募金する方法を選ぶことにしました。

Famiポート募金
http://www.family.co.jp/famiport/donation/


ファミリーマートのFamiポート(コンサートのチケットとかを引き換える端末です)からタッチパネルで選択し、希望金額を選び、お金をレジで支払うだけです。5分もかかりません。ちょっとお昼を買いに行くついでに、くらいの気分でできちゃいます。

#末尾の桁が見えないようにしているのは金額をミスリードする狡猾な罠です
##うそです。2,000円です



細く長く忘れないでいること、自分だけでも健康で倒れないでいること、笑顔でいて、周りの人を元気づけること。そのくらいであればわたしにもできるかな?と思います。
自分を責めずに、出来ることをしっかりと。