インターネットの備忘録

インターネット大好きな会社員がまじめにつける備忘録です。

「就活生」というコンテンツ

最近、ビジネス系の交流サイトで見かけて驚いたのが、「プランナー」や「プログラマー」という肩書きと並んで「就活生」と書いている人がいたことです。
「大学生」でもなく、「就活生」。学生かつ求職中の人のことを指すのかな?最近は「就活生」という肩書きが一般的に通用するのかな?と、新鮮に感じました。

就活戦国時代

いわゆる「シューカツ」と短縮した呼び方が定着したのは、ここ最近だった記憶があります。
初めてその単語を聞いたとき、当時20代だったわたしは、大学生アルバイトの子から「いまシューカツ中なんですよ」と言われ周りの人と「なにそれ?」と目を丸くした覚えがあります。

わたしの世代の「シューカツ」は、ダークスーツを着てシンプルなパンプスを履き、手書きの履歴書と「とりあえずの忠誠心」で臨むものでした。
今でも大多数はそうだと思うのですが、SONYが新卒採用のルールを変えようという動きが話題になったり、サイバーエージェントがプログラムのコードのみで内定を決める方法を発表したりと、指導する側の大人が想像していなかった採用手法が増えてきている印象で、職を求める学生・就職指導をする学校ともに「何が正解かわからない」状況なのだろうなと感じています。

「新卒カード」

学生さんを交えて飲むときに、「新卒カードを使わないともったいないよ」というアドバイスをする場面がよくあります。「新卒生」は卒業時にしか使えないんだから、よく考えてどこに使うかを選びなさい、みたいな感じで。「自分の武器」は何か、と考えたときに、無条件にまず付与されるのが「新卒カード」だからかもしれません。


「新卒カード」を使える人を「就活生」と呼ぶ、というように捉えています。社会に出て10年以上経ちますが、今の学生さんとお話していると、「新卒カード」だけでなく、「自分の武器」は何かをよく考えて割とシビアに見ている方が多いなと思います。「女子大生○○」とか、学生ながら起業している人もたくさんいますよね。

同じ事業内容なら、学生のうちに始めたほうが注目してもらえる、と判断して踏み切るのは賢いと思いますし、逆に今の学生さんたちには、そこまでしないといけない危機感があるのかなあと感じます。ただ、「言われたからする」ものから、「自分がこうしたいからやる」へと、能動的な活動がやりやすくなったのは、とても喜ばしいことだと思います。

若者を消費したくない

ここ数日で話題になったふたりの学生さんがいます。

http://mechayaba.kondoyuko.com/メチャクチャにヤバイ就活生・近藤佑子を採用しませんか?

http://studygift.net/home.php坂口綾優は、学費を支援してくださるサポーターを探しています。

おふたりどちらも「自分の武器は何か?」を考え、動いているのは本当に素晴らしいし、自分の学生時代を省みると恥ずかしくなってしまうほどです。どちらも話題になりましたが、一方は「お仕事を下さい」、一方は「お金を下さい」と異なるスタンスです。


賛否両論あると思いますが、個人的に見ていてつらいなあ、と思うのは、「大人が作ったサービスの注目を集めるために『学生』という肩書きのある人が利用され、批判の矢面に立たされている」ということです。
自分自身で考え「失敗するかもしれないけど、やってみよう!」と思っての挑戦ならまだしも、大人たちが「この子は利用できる」と思って担ぎ上げるのは、見ていて胸が痛みます。同時に、脊髄反射で口汚く人格を罵倒するようなコメントを目にすると、とても悲しいです。


彼女たちも学校を卒業し、仕事をし始めるようになったら我々と同じく「社会人」になります。
ただその前に、様々な挑戦や失敗をできるのが「学生」の良さで、その試行錯誤を見守ったり応援したり、問題点があればきちんと指摘することが「大人」のつとめなのではないだろうか…と思います。
おふたりのご活躍を心からお祈りしています。